君の膵臓をたべたい


 2018.10.27      男子学生の夢を実現 【君の膵臓をたべたい】

                     
君の膵臓をたべたい Blu-ray 豪華版【Blu-ray】 [ 浜辺美波 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
原作小説は未読。この手の余命わずかな人物の物語は巷にあふれている。原作は未読のため、本作の真の個性がどこにあるのかよくわからなかった。実写化された状態で見ると、ストーリー的にはありきたりだがタイトルのインパクトと咲良が明るく爽やかで、童貞男子が憧れるようなシチュエーションという部分が個性なのだろうか。

膵臓の病気で余命わずかな咲良と、人を避けて生きてきた僕の交流が描かれている。咲良が死ぬことは既定路線なのだが、死に方が意外というか、涙をボロボロと流させるような引っ張り方をしてない。やはり死を感じさせないが、死ぬ人間の強引さに流されていく僕に感情移入しながら見るべき作品なのだろう。

■ストーリー
高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく―。膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。

だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。桜良の死から12年。結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同様に、桜良と過ごした日々を思い出していた―。そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人-。

■感想
病んだ膵臓を直すためには健康な膵臓をたべるべき、という動物のような考え方がタイトルとなっている本作。作中でもポイントでその言葉が登場してくる。正直、現代のパートは不要な気がした。回想する形で咲良と僕の交流が描かれているのだが…。

まず僕が、この手の作品によくある、人と接することを避ける人間嫌いな人物となっている。当然見た目は良いが、おとなしいためクラスではその存在感がない。そんな僕に偶然日記を見られたことから病気を知られた咲良が僕に近づくことになる。

最初は迷惑がっていた僕は、明るく人気者で美人な咲良によってこられて悪い気はしない。まさに童貞男子が夢見る展開だろう。根拠なくクラスの人気者が自分に好意をもってくれる。それにうれしい気持ちがあっても、表面上は迷惑がっているふりをする。

咲良が死ぬまでにしたいことを僕に要求する。それは、僕にとってもうれしいことだが、またまた嫌がったりもする。このパターンはあらゆる作品で使いたおされたと思ったのだが、人気があるということは、この手の需要は永久になくなることはないのだろう。

咲良が死ぬからと、涙を流して悲しむような描写はない。咲良にしても病気でやつれたり暗く苦しい表情を見せることはない。ある意味、幸せな死に方だろう。膵臓の病気で死ぬかと思っていたが、死に方は今までにないパターンかもしれない。

咲良役の女優の演技が最高なので、多くの男たちはファンになったことだろう。明るく楽しく美人で積極的な女子。自分のことは棚に上げ、男たちはこんな女子から根拠なく言い寄られることを夢見るのは学生時代の定番だ。

男子学生の夢を現実化した作品だ。



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