2018.9.3 高齢者格差社会 【家族はつらいよ2】
家族はつらいよ2【Blu-ray】 [ 橋爪功 ]
評価:3
■ヒトコト感想
「家族はつらいよ」の第2弾。前作では熟年離婚がメインテーマとなっていた。本作では高齢者の運転問題と、高齢者について語られている。相変わらず家族内部のゴタゴタは面白い。周造は趣味のためにドライブを止めない。ただ、高齢者ドライバーなので周りの家族は心配をしている。息子家族と同居しているという、今時めずらしい家族構成だ。
孫や家族に恵まれ幸せな生活を送っているからこそ、そのほかの些細なことに不満がでてくるのだろう。同級生が真夏のさなかに警備員として働いているのを見て同情する周造。なんだか、高齢者の在り方というか、周りもどのように接すればよいかを思わず考え込んでしまった。下手な忠告の仕方をすると、よりこじれることは明白だ。
■ストーリー
周造(橋爪功)と富子(吉行和子)との離婚騒動から数年――。周造はマイカーでの気ままな外出をささやかな楽しみにしていたが、車に凹み傷が目立ち始めていた。高齢者の危険運転を心配した家族は、運転免許を返上させることを画策する。しかし、頑固オヤジをいったい誰が説得するのか! ?嫌な役回りを兄妹夫婦でなすりつけ合ううちに、平田家はまたもや不穏な空気に包まれていく―。
そして土曜日、周造の免許返上問題を話し合う家族会議が開かれることになり、例のごとく召集された平田家の兄妹夫婦たち。だが、家族会議は一転し事態は思わぬ方向に…果たして平田家は再び平穏な日常を取り戻すことができるのか!
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■感想
周造はマイカーで気ままに外出して人生を謳歌している。周りの家族は高齢者の危険運転を心配し、周造から免許を取り上げることを画策するのだが…。頑固オヤジである周造を周りの家族はどうやって説得していくのか。
一番周造に意見をして角がたたない人物として憲子が選ばれるのだが…。周造にそのことがバレて、逆にへそを曲げられる場面は面白い。周造は正直言うとやっかいでしかない。もしかしたら何不自由なく生活している高齢者というのは、周造のような感じなのだろうか。
周造の妻である富子は、友達とオーロラを見るために海外旅行へ行ってしまう。そうなると周造を止めるものはおらず、まさに好き放題する周造は野放し状態だ。偶然出会った同級生と再会し、飲みに行く。その同級生が離婚や破産を経験した苦労人と知ると、周造は哀れに思い同情する。
高齢者とひとくくりにできるものではない。毎日暑い中働かなければ生活できない高齢者もいる。周造のように家族と同居し孫にも恵まれた幸せな生活をみなが送れているとは限らない。まさに老人格差の社会がここにある。
平田家のドタバタは相変わらず面白い。特に長男と周造のやりとりは秀逸だ。お世辞にも広いとは思えない一軒家で生活する3世帯。周造夫婦に長男家族。何か問題が起きるとすぐさま兄弟を全員呼び寄せての家族会議が開かれることになる。そこでは定番としてうな重を頼んだりもする。
家族全員がそろった中で、兄弟たちと周造の言い合いがスタートする。今どき、こんな家族は存在するのか?とちょっと疑いの気持ちで見てしまう。ありえたとしたら、ずいぶん窮屈だが、それなりに楽しそうだ。
周造としても、家族と離れて暮らした方が気が楽なのかもしれない。
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