官僚階級論 


 2018.5.12      高度すぎてついていけない 【官僚階級論】

                     
官僚階級論 霞が関といかに闘うか モナド新書/佐藤優(著者)
評価:2
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■ヒトコト感想
国を支配している官僚について佐藤優が独自の理論を展開する。その過程ではマルクスや柄谷行人の文章を引用し説明している。相変わらず難しい。というか、作者の作品を読むような人にとっては必要な知識がある前提ですすめられているだろう。官僚たちは無意識に自分たちの利益のために国を喰いモノにしているらしい。小難しい話が続き、ついていけなかった。

マルクスの資本論についても読んだことがないので、つらつらと説明されても理解できなかった。読む人が読めば、すばらしい作品なのかもしれない。ただ、自分にとってはわかりやすい部分をつまんで理解する程度でしかない。官僚がどれだけ権力をもっているのかも、具体的にイメージしずらかった。

■ストーリー
官僚は、国家を支配するのは、自分たち偏差値エリートだと信じている。かれらは、みずからの延命のためには国民の生命も財産も切り捨てることもいとわないリヴァイアサン〈怪物〉だ。官僚階級の生成の歴史と内在論理を、いま初めて解き明かす。構想7年、待望の書き下ろし!! マルクス、柄谷行人など古今東西の知をよみときながら、暴走する国家=官僚階級の本質をとらえた書。

■感想
官僚が国を支配する。官僚の支配から逃れるため、必死に官僚から権力を取り戻そうとする政治家もいるのだろう。官僚と政治家の力関係は微妙だ。それらは、作者の他作品を読むと、なんとなくだが理解できる。そこから、官僚がどのように国を喰いモノにしていくのかも描かれている。

官僚自身は子供の時から成績が良く、受験戦争に勝ち抜いてきたエリートたちだ。そのプライドからか、国を背負っているという気持ちもあるのだろう。無意識に国を喰いモノにしているというのがなんとも恐ろしく感じた。

作者はマルクスや柄谷行人の著作を例に出して説明しているのだが、これがすこぶる難しい。そもそもがこのふたりの作品を何一つ読んだことのない自分にとっては、書かれている内容があまりにもハイレベルすぎてついていけないというのがある。

そのため、作者が引用してあれこれ説明していても、ほとんど意味がわからなかった。官僚階級とどのように関連があるのか。まったく無関係な経済の話をつらつらとされているようにすら感じてしまった。

そもそも、自分のレベルでは本作を読むレベルに到達していなかったのだろう。やはりベースとなる知識が絶対的に足りていない。そのため、作中で説明されていることがそもそも意味がわからず、そのため、まったく面白く感じず、逆に苦痛に感じるほどだ。

タイトルからは、官僚の美味しい部分や大変な部分など、もうちょっと卑近なレベルでの話が描かれていると思っていたのだが…。思いのほか高度な内容で、ついていけなかった。

自分にはついていけないレベルだ。



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