彼女と彼女の猫 Everything Flows


 2020.12.7      ひとりの女性の日常を見る猫【彼女と彼女の猫 Everything Flows】

                     
彼女と彼女の猫 - Everything Flows - 完全版 [ 花澤香菜 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
一人暮らしの女性と猫。なんだか女性はわけありのようだが…。冒頭、女性と猫が登場し、このふたりの物語であることは想像できる。そこから、過去にさかのぼり猫が家に来た時から、現在にまで物語がすすんでいく。彼女の日常を常に近くで見てきた猫。家族のこと、友達のこと、将来のこと。母親との生活から友達との共同生活。

ひとりとなり夢に向かって頑張る彼女。人生では傷つくこともある。そこから立ち直ることもある。彼女の日常をつぶさに観察してきた猫は、寿命で死んでしまうのだが、生まれ変わってまた同じ彼女に拾われることになる。特別なインパクトがあるわけではないのだが、人生の機微というかごく普通の人生とはこういうものだと思える作品だ。

■ストーリー
ある夏の一番暑い日、彼女と、彼女の飼い猫である“僕"の暮らしが始まった。彼女は、通っている短大の卒業を控え、就職活動に追われる毎日を送っている。いつも頑張っている彼女にとって、“僕"と過ごす時間は、互いにひと時の安らぎを感じられる、とても大切なものだった。しかし、家族のことや、友達のこと、将来のこと…

いろいろなことがうまくいかず、彼女は次第に傷つき、立ち止まってしまいそうになる。それでも彼女は、背筋を伸ばし、今日も扉を開けて外の世界へと踏み出していく。そんな大好きな彼女のことを、“僕"はいつまでも見守っていたいと思っていた。

■感想
猫とひとりの女性の物語。冒頭、ひとりの女性が就職活動に追われている日常が描かれている。短大を卒業し夢に向かって前にすすんでいるのだが、成果がでない。彼女の癒しは猫とのひと時だけ。猫目線の物語ではあるのだが、ごく普通の女性の悩みなど、等身大の物語といえるだろう。

猫が家にやってきたころまでさかのぼり、そこから彼女と家族の状況を観察する猫。どうやらシングルマザーの家庭で母一人子一人の家族のようだ。そこで猫を中心とした日常が描かれている。

彼女と母親の状況は猫目線で少しづつわかっていく。母親は再婚しようとしている。彼女は自分が邪魔ものだと勝手に思い込み、母親の再婚の邪魔をしていると悩む。そのことで母親と言い合いになったりもする。

彼女の本心はどうなのだろうか。母親に幸せになってほしいと考えるのだが…。女同士の二人暮らしということで、母親と喧嘩する娘。猫からすると、母親や娘の微妙な心理の違いが感じとれるような雰囲気すらある。その後、彼女は友達と共同生活したりもするのだが…。

就職活動でうまくいかない彼女。そして、猫は寿命で死んでいく。ここで物語が終わるのではなく、猫は別の子猫として転生する。そして、その子猫を拾うのは…。例の彼女が子猫を拾い、また同じように彼女との生活が始まる。

ごく普通の女性の日常を悩みメインで描いている。就職活動だけでなく、家族のこと、そして恋人とのことなど様々な問題がある。猫が癒しを与えているのは間違いない。そして、新しい猫も同じく彼女に癒しを与えるのだろう。

「君の名は。」の監督のブレイク前の作品だ。



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