人類の選択 「ポスト・コロナ」を世界史で解く 


 2021.6.1      世界は過去に疫病を経験している 【人類の選択 「ポスト・コロナ」を世界史で解く】

                     
人類の選択 「ポスト・コロナ」を世界史で解く[ 佐藤優 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
コロナ渦の7月に出版された本作。作者が世界史をふりかえりながら、過去に世界が疫病に直面した際にどのような状況となったかが語られている。マクロな部分で歴史は繰り返されるということで、過去の歴史から学びコロナ渦を乗り越える方法を探る。

基本は世界史の勉強のような流れだ。過去にもスペイン風邪やペストなど世界規模で疫病に苦しんだ人類。コロナに対してどのように対応すべきか。各国のコロナに対する対処の違いも語られている。日本は翼賛という強制力はないのだが、国民の空気を読む気質を利用し同調圧力により自粛を成立させている稀有な国家ということだ。個人的にはスウェーデンのように国民全員が免疫を得る方向が良いと思った。

■ストーリー
連帯か孤立か?独裁か自由民主主義か?コロナ禍を経た人類は、どのような選択をするべきか。感染症がいかに時代を動かしてきたかを詳細に分析し、世界史をふまえ、国際情勢を展望。中国、ロシアから大統領選後の米国まで、ポスト・コロナにおける大国の生存戦略を論じ、日本の未来と人間の生き方に確固たる指針を示す。

■感想
人類は疫病を克服したかと思われた。過去のスペイン風邪やペストのような疫病は起こりえないと思われたが、実際にコロナにより世界は大混乱におちいっている。歴史は繰り返されるという言葉があるように作者は過去の歴史からポストコロナを予測しようとする。

世界では過去、コロナよりもひどい疫病に苦しんだ歴史がある。それらを説明しつつ、コロナとの比較をしている。正直このあたりの世界史についてはほとんど知識がないので、世界史の勉強をしているような気分になった。自分が世界史が苦手というのもあるが、読むのが苦しい部分だ。

コロナに対する世界の対処方法の違いを分析している。イタリアやアメリカのように強制力で外出禁止令を出し人の動きを抑えてコロナを抑え込もうとする国。対してブラジルやスウェーデンのように経済を優先し国民全体が免疫を得ることを目指す。または、コロナの死者をそのまま受け入れる方針だ。

コロナをリスクととらえてクライシスとはとらえない。今現在の状況を見ていると、強制的な自粛をしたとしても日本に限ってはそこまで効果がないような気がしてならない。

コロナという近年予測できないような出来事が起きると、世界は大きく変わっていくとのこと。グローバル化が進んでいたのが、逆にコロナのせいで国家間の繋がりは薄れ、逆に国境が高くなるイメージらしい。イタリアが医療崩壊した際にも、隣国が手助けすることはいっさいなかったらしい。

バーチャルの世界ではグローバル化はすすんでいるが、物理的には他国への移動というのはハードルが高くなるのだろう。ポストコロナを生き抜くためには、それらを認識しながら行動する必要があるようだ。

世界史の教科書のような部分は辛かった。



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