IT それが見えたら終わり


 2020.1.26      スタンドバイミー的な子供たち【IT それが見えたら終わり】

                     
IT/イット それが見えたら、終わり。
評価:2.5

■ヒトコト感想
ピエロが子供たちを襲う。スティーブンキング原作のホラー小説の映画化。ピエロの描写がとんでもなく恐ろしい。子供だけに見える恐怖の象徴。ピエロはその存在だけでなぜか恐ろしい。冒頭の流れからするとまるでスタンドバイミーのような子供たちの冒険モノの雰囲気がある。そこから、各家庭での問題やいじめっ子の存在。そして、グループの中で紅一点の女の子に皆がほのかな恋心をいだく。

子供たちの間で恐怖の元凶と戦おうとする機運が高まる。子供だけにしか見えない恐怖。ピエロに恐怖を感じた者はピエロに殺されてしまう。そうではなく、ピエロに対抗した者は生き残ることができる。本作は第一章なので、続編がある前提なのだろう。ラストは少し消化不良だ。

■ストーリー
一見、平和で静かな田舎町を突如、恐怖が覆い尽くす。相次ぐ児童失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、自分を責めるビルの前に、突如“それ"は現れる。“それ"を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。

不良少年たちにイジメの標的にされている子どもたちも“それ"に遭遇していた。自分の部屋、地下室、バスルーム、学校、図書館、そして町の中……何かに恐怖を感じる度に“それ"は、どこへでも姿を現す。ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ"に立ち向かうことを決意するのだが…。真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた―。

■感想
原作はすでに読んでいる。原作は長大な物語であり、子供時代のみを描いたのが本作となっている。ITというタイトルどおり、”それ”が物語としての核となる。ある田舎町で突然子供たちが行方不明となる。冒頭から、恐ろしいピエロの化け物に子供が下水に吸い込まれてしまう。

ピエロ(ペニーワイズ)とは何者なのか。恐怖が迫りくる中でも子供たちは夏休みを迎えようとしている。少し昔の少年少女たちが、夏休みに向けてのワクワクした気持ちを抑えきれないでいる。

本作の主人公はこの子供たちだ。勉強ができるメガネの少年やリーダーの少年。太ったいじめられっ子に黒人の少年。そして、そばかすが目立つ女の子。お決まり通りいじめっ子たちに追われる気弱な子供たちだけのグループになっている。

自虐的に自分たちのことをルーザーズなんて呼んだりもする。女の子は周りからヤリマンと噂され、女子からイジメに合う。そんな少年少女たちが恐怖の元凶と対決する。ピエロが強烈に恐ろしく、子供たちに見せる幻覚は観衆にも恐怖を与えるのに十分な怖さだ。

物語は恐怖を克服した少年少女たちによってペニーワイズが倒されて終わる。原作もそうだが、このペニーワイズとは何なのかがまったく語られていない。そのため、恐怖を克服した少年少女たちではあったが、その先どうなるのかはまったく不明だ。

本作が第一章ということで、この少年少女たちが大人となりもう一度ペニーワイズと再戦するのが次回作なのだろう。そこでもペニーワイズの正体は明確にはならないだろう。原作を見ても、本作に対しては少し消化不良に感じてしまう。

ペニーワイズは恐ろしいが、その正体がわからないまま終わるのは納得できるのだろうか…。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp