骨の袋 下 


 2019.11.5      幸せの絶頂から不幸に急降下 【骨の袋 下】

                     
骨の袋 下 / スティーヴン キング
評価:2.5
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■ヒトコト感想
ヌーナンはカイトの親権を守るために権力者デヴォアと裁判で対決しようとする。上巻までの流れでは、親権を争う裁判の他に、ヌーナンの妻が亡くなりその前後で起こった奇妙な出来事や、その他の心霊現象などがある。調べていくうちにヌーナンは心霊現象の根源を見つけ出す。

黒人歌手セーラに対する強烈な行為の数々。それらがめぐりめぐって現在へとつながっている。中盤でヌーナンたちが幸せの絶頂のように庭でバーベキューをするシーンはすばらしいが、そこから地獄の底に突き落とされるパターンがある。かなり強烈な流れであることは間違いない。なぜここまで不幸が連鎖するのか。その理由は謎の心霊現象にあった。

■ストーリー
ヌーナンと知り合った少女を、異常な地元の権力者マックス・デヴォアがつけねらう。デヴォアとの戦いを余儀なくされたヌーナンだが、彼は亡き妻の意外な真実を知ることになる。さらに過去にこの地で活躍していた黒人歌手セーラに対する忌まわしい犯罪が明らかに。セーラは復讐のために霊界から戻ってきたのか?彼女が企んでいる邪悪な野望を、もはや阻止することは出来ないのか。

■感想
上巻ではヌーナンが知り合った若い母親と娘の親権を手助けするという流れがあった。それとは別にヌーナンの妻が死に、その死の数日前に奇妙な行動をとっていたことが判明していた。心霊的な現象が起こるのだがそれがメインではない。

上巻の流れでは、今後どのような方向へ流れていくのかまったく想像がつかなかった。下巻では冒頭からヌーナンが裁判で対決することになるデヴォアとの決闘が待っている。ヌーナンは危うくデヴォアの攻撃により湖でおぼれ死ぬ可能性すらあった。

デヴォアの魔の手から逃れ切った親子。そして、デヴォアは高齢のため寿命で亡くなり、莫大な遺産が親子の元に入る。これから親子は莫大な金を手い入れ幸せな生活を続けるはずだった。そこにもしかしたらヌーナンも加わっていたのかもしれない。

そんな幸せの絶頂の場に不幸は押し寄せてくる。親子を支援するため裁判に関わった者たちでお祝いのバーベキューをしていたその場所で銃の乱射事件が起こる。そして、不幸にも母親は銃弾に倒れる。まさに幸せから不幸へのすさまじいジェットコースターだ。

なぜこのようなことになるのか。ヌーナンは調べていくうちに心霊現象には恐ろしい原因があったことに気づく。ヌーナンが自ら体験する恐ろしい出来事。過去にどのような事件が起こっていたのか。過去のために現在の人々が不幸な目にあう。黒人歌手のセーラに対するおぞましい仕打ち。

日本的にいえば祟りのようなものなのかもしれない。ヌーナンが経験するのはとてつもない出来事だ。デヴォアの魔の手から逃れたとしてもそれは一時的なことでしかない。

上巻からは想像もできない流れだ。



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