骨の袋 上 


 2019.10.3      謎の心霊現象がどう関連していくのか 【骨の袋 上】

                     
骨の袋(上) 新潮文庫/スティーヴン・キング(著者),白石朗(訳者)
評価:2.5
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■ヒトコト感想
作家マイクヌーナンが経験する奇妙な出来事が描かれている。上巻を読み終わった段階で物語がどのような方向に進むのかが見えてこない。心霊系の話になるのは確かなのだろう。妻の死がどのように関係しているのか。生前の妻が正体不明の男と一緒にいたことについてもどう関連していくのか。一人の少女をきっかけとして義理の父親と親権を争う若い女との関連も不明だ。

今後どのような流れになるのかまったく見えてこない。他人の裁判で、ある大金持ちの義理の父親と母親の裁判に深入りしてしまうヌーナン。メインが裁判のいく末になりそうだが、心霊現象とどのような絡みがあるのか。死んだヌーナンの妻の生前の行動の意味は…。疑問が尽きることはない。

■ストーリー
最愛の妻に先立たれたベストセラー作家マイク・ヌーナン。彼はその後毎夜の悪夢に悩まされる。夢の舞台は決まって妻との思い出が宿る湖畔の別荘。ヌーナンは吸い寄せられるように別荘へと向かった。そこで彼を待ち受けていたのは、彼の運命を激変させる一人の少女。怪奇現象が多発し、過去の忌まわしい犯罪に対して死者がヌーナンにつきまとう。絶叫ゴースト・ストーリーの開幕。

■感想
ベストセラー作家のヌーナン。今は書くことができずスランプに陥っている。ヌーナンが妻を亡くして失意のどん底にいる際に、別荘地で奇妙な出来事に遭遇する。別荘で発生する心霊現象。この時点では心霊がどのような理由で発生したのかは語られていない。

序盤までは妻を失った悲しみ中心に描かれ、中盤以降から少女と母親の親子との出会いと、その後の親権争いの裁判へとシフトしていく。少女と若い母親は、義理の父親と親権争いをしている。ここにヌーナンがでしゃばる形となる。

ヌーナンは作家として成功しているので暮らしには余裕がある。それでも、満たされない思いがある。別荘で発生した心霊現象からのお告げでは少女を助けろと言われる。ヌーナンはまだ40代のため若い母親に対して複雑な思いをいだくことになる。

ヌーナンが若い母親の裁判に手助けをしたことについて、周りがとやかくいう場合もある。若い未亡人と妻を亡くした男。裁判の相手は成功者で地域に影響力のある男だ。世間がどうこの状況を見るのか。ヌーナンの苦悩の日々は続く。

ヌーナンは妻の生前の行動に疑問を持っていた。自分が知らない場所で生前の妻は正体不明の男と会っていた。それもこの別荘地で。さらには悪いことにヌーナンと協力して不妊治療を行っていたのだが、妻の死体には妊娠の兆候があった。

ここまでくると、生前の妻は明らかに何者かと浮気していたという流れとなる。これらさまざまな出来事がどう関係していくのか。ただの心霊現象で終わるのか。他人の裁判に協力した結果どのような結末となるのか。

下巻の流れがまったく想像できない。



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