花とアリス殺人事件


 2021.11.14      女子中学生が呪いの事件を調査する【花とアリス殺人事件】

                     
映画「花とアリス殺人事件」
評価:3

■ヒトコト感想
「花とアリス殺人事件」のノベライズ版はすでに読んでいた。ただ、ノベライズ版の印象よりも本作は明るく楽しい作品となっている。イジメがメインのようなイメージだったのだが、本作は女子中学生たちのちょっとした冒険物語としての面白さに満ちている。転校生の有栖川が引きこもりのハナと出会い、クラスで話題となっていたユダの謎に迫る。

湯田が死んだのか生きているのかを探るのが有栖川とハナの目的だ。それまでに巧みな伏線があり、いかにも呪いで湯田が死んだと思わせている。有栖川が少し間抜けなのが明るく楽しく感じる要因なのだろう。徹夜をして湯田を探し続けたオチとして、偶然街中で出会うというのも良い。明るく楽しく感じるのは演じている声優の功績なのだろう。

■ストーリー
石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子は、一年前に3年1組で「ユダが、四人のユダに殺された」という噂を聞く。さらに、アリスの隣の家が<花屋敷>と呼ばれ、怖れられていることも……。花屋敷に住むという同級生の「ハナ」ならユダについて詳しいはずだと知ったアリスは、花屋敷に潜入する。

そこで待ち構えていたのは、引きこもりのクラスメイト・荒井花だった……。ユダは本当に殺されたのか?花は何故、引きこもり続けているのか?ふたりの少女の「世界で一番小さな殺人事件」の謎を解く冒険が、始まる―。

■感想
冒頭、転校生の有栖川は教室の奇妙な雰囲気に気づくことになる。湯田が呪いにより殺されたという噂があり、教室内では呪いをはらう儀式などが行われている。ちょっとイジメのような雰囲気もある。

ノベライズ版ではイジメや引きこもりのハナについても、自分の居場所を見つけることに苦心するというイメージであったが、アニメはずいぶんと印象が異なっている。イジメの要素はほとんどない。有栖川が明るく楽しいキャラなので、イジメをはじき返す勢いがあることは間違いない。

隣に住む引きこもりのハナと出会い、湯田の秘密を知る。湯田が生きているのか死んでいるのかは不明で転校したということになっている。ことの発端はハナにあるのだが。。このあたりの巧みな展開が良い。ノベライズでは気づかない構成の妙なのだろう。

そして、有栖川とハナを演じる声優たちの演技のたまものか、明るく楽しい作品となっている。特に湯田の父親を呼び出し尾行するくだりは最高だ。有栖川が常にどこか抜けている感じなので、無関係なおじさんを尾行し、ついには相手にバレてしまったり。。。

有栖川とハナのふたりは湯田の生死を確かめるために、徹夜しての張り込みをする。ここまですれば、女子中学生としては大冒険なのだろう。寒さに震える中で、少しでも暖かい場所をと、駐車場に止まっているトラックの下に入り込んで暖をとるなど、面白な展開が目白押しだ。

さんざん湯田を探し回ったあげく、疲れ切って街をふらついている有栖川とハナの前に湯田は現れた。結局はなんてことないすべてはハナの勘違いだった。湯田はハナのことをどう思っていたのかは最後まで不明だ。

ノベライズ版よりもアニメの方が確実に面白い。



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