花田少年史 幽霊と秘密のトンネル


 2018.10.1      昭和の古き善き小学生 【花田少年史 幽霊と秘密のトンネル】

                     
花田少年史 幽霊と秘密のトンネル
評価:3

■ヒトコト感想
マンガ原作だが、原作は未読。やんちゃな少年が幽霊と出会い心霊現象に巻き込まれながら、両親のなれそめや同級生の親の再婚問題などを解決していく物語だ。どことなく「ALWAYS」風な雰囲気はある。今時の小学生ではなく、ひと昔前の田舎の小学生という感じだ。少年一路はトラックにはねられ九死に一生を得たことから、幽霊が見えるようになる。そこから、様々な霊的な現象に巻き込まれていく。

メインは一路の両親と関係のある者たちの話なのだが、それよりも同級生の親の再婚話の方が感動的だ。同級生の男と女がお互いの親同士が再婚しようとしていると知る。難しい年頃なだけに、様々な問題があるのだが…。一路に霊が憑依することで感動的な解決となっている。

■ストーリー
小さな港町で評判のわんぱく少年・花田一路は、ある日、トラックと衝突する大事故に遭ってしまう。九死に一生を得た一路には、幽霊が見える不思議な能力が身についていた。その日から彼の周囲には、様々な幽霊が出現して願い事や相談を持ちかける。

それだけでもパニックなのに、なんと、自分が本当の父親だと名乗る見知らぬ男の幽霊まで現れた!元気でにぎやかな花田家に、誰にも言えない秘密が隠されているのか?幽霊たちの力を借りて真実を探るうち、一路はこれまで意識しなかった家族の絆、そして「愛する者が幸せであってほしい」という幽霊たち、そして生きている人間たちの優しい思いに気づいていく……。

■感想
昔ながらの五厘な坊主頭の一路が幽霊を見てしまったことから、心霊現象に直面することになる。一路の周りでは様々な幽霊が登場してくる。あげくの果てには一路の父親と名乗る幽霊までもが登場してくる。そんな状態の一路は、次第に幽霊たちが存在する日常に慣れてくるのだが…。

いきなり幽霊の話からスタートし、その後、一路が幽霊をそれほど怖がるわけでもなく、普通に接しているのがよい。近所のおばあちゃんが死んでからも、そのおばあちゃんの姿をちょくちょく見て、様々なアドバイスをうけたりもする。

感動的なのは、一路の同級生の親同士が再婚しようとする話だ。お互い難しい年ごろのため、子供としてもいきなり同級生の父親や母親が自分の親になることには困惑を覚える。それでも、死んだ父親のことを思い出しながら、新しいお父さんの存在に悩む。

ここで一路の体の中に同級生の死んだ父親の魂が入りこみ、息子を安心させようとする。このシーンはなんだか妙に感動してしまった。子供たちは、実は父親や母親を欲しているが、それを言い出せないでいる。その理由としては、死んだ親に悪いと思っているからだろう。

一路が自分の父親と母親との若いころにタイムスリップして、そこで両親のなれそめを見るのは面白い。時代を感じさせる映像もあり、両親の出会いや恋愛を子供がみるというのはどうなのだろうか。自分だったらちょっと見たくないような気がしなくもないのだが…。

母親と結婚するはずだった男が、怨霊となり一路の父親を殺そうとする。がっつりとSFチックになり、前半の感動要素が後半は、幽霊同士の対決といった感じに様変わりしている。

後半は微妙だが、前半は間違いなく感動できるだろう。



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