2020.2.17 好意を利用する小悪魔小学生【はじまりのボーイミーツガール】
はじまりのボーイミーツガール [ アリックス・ヴァイヨ ]
評価:3
■ヒトコト感想
落ちこぼれのヴィクトールが優等生のマリーに恋をする。ただ、マリーには隠された秘密があった。。。マリーは視力が弱くなる病気を患っている。病気のことを隠しながら生活し、なんとか音楽院の受験まで粘ろうと考える。そこで身近にいる利用しやすそうなヴィクトールを使い、マリーは視力が弱くなっていることを隠そうとする。
誰もがマリーのことを考えて行動している。ヴィクトールも、マリーが自分を利用したことに気づいてからも、協力することをやめない。マリーの父親や医者が執拗にマリーの目を気にすることは、病気がひどくなり失明することを恐れてのことだろう。親としてはマリーの父親を否定することはできない。ただ、本人の希望にも少しは聞く耳をもつべきだとも感じた。
■ストーリー
ヴィクトールはクラスの優等生マリーに恋をしている12歳。秀才のロマンからのアプローチもはねつけるマリーに、落ちこぼれのヴィクトールは遠くから見つめるだけだった。ところが、そんなマリーがヴィクトールに急接近! 「勉強を手伝ってあげる」と家に招待してきた! 親友のアイカムから「どん底のお前に最後のチャンスだ」と煽られたヴィクトールは、「女は信用できない」と平静を装いつつも、ウキウキと出かけていく。マリーの指導で徐々に成績があがってきたある日、プロのチェロ奏者になる夢をマリーから打ち明けられる。そしてマリーと初めて手を繋いで下校したヴィクトールは、別れ際に頬にキスされすっかり舞い上がるのだった。
だが、マリーには、誰も知らない秘密があった。だんだんと視力が落ちる病気にかかったマリーは、音楽学校に行くためそのことをひた隠しにしていたのだ。秘密を守るため、マリーには“目"が必要だった。それに気づいたヴィクトールは、利用されていたことにショックを受けるが、マリーの情熱に動かされ、彼女の夢を叶えることを決意する。その日から2人の秘密の作戦が始まった──!
■感想
弱視を隠す物語としては「5パーセントの奇跡」がある。目がほとんど見えないことを隠してホテルの仕事をするという、かなり難易度の高いチャレンジだ。本作では、小学生が普通に学校生活を送るというパターンだ。ある意味、周りを騙しやすい環境ではある。
ただ、黒板の字が読めないだとか、テストの答案の文字が読めないというのはかなりつらい。どうしても協力者が必要となる。マリーはヴィクトールという協力者を得たことで、うまく利用できるのだが、それは自分に好意をもっていると気づいたからというのが、悪女の素養を感じた。
マリーの父親はマリーの目の病気のことをこれでもかと心配する。医者は、マリーが視力がだんだんと落ちていることをごまかしていることに気づいている。マリーがなぜそのような行動をとるのかを理解しようとしない父親。マリーはヴィクトールにだけ心境を打ち明ける。
お決まり通り、マリーの家族は裕福でチェロ奏者を目指すことからもマリーの家が金持ちだということがわかる。対してヴィクトールの家は、父親が油まみれとなり車の修理に精をだす映像から、裕福ではないことが想像できる。
ヴィクトールはマリーに利用されていたと知りショックを受ける。普通の小学生なら、二度とマリーと話をしないだろう。ヴィクトールはマリーの状況を理解し協力しつつ、さらにはマリーが夢を実現するために余計なことまでしてしまう。友達同士で協力しながらマリーを助ける。
周りがマリーの状態に気づかないように仕掛けをつくる。このあたり、単純に担任がマリーとヴィクトールは恋仲にあると想像し、マリーの怪しさに気づき始めたイケメン男子に対して、失恋してショックを受けるなと的外れなアドバイスをしたりもする。
マリーの逞しさは、将来したたかなフランス女性になりそうだ。
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