5パーセントの奇跡


 2019.10.10      目が見えないことを隠して就職【5パーセントの奇跡】

                     
5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 [ コスティア・ウルマン ]
評価:3

■ヒトコト感想
常人の5パーセントしか視力のない男がホテルマンとしてやっていけるのか。本作が実話ということに驚かずにはいられない。先天性の病気で突如として視力の95%を失ったサリー。学校の勉強は本人の努力によりなんとかこなし、よい成績を上げることができた。そして就職する際にどうするのか。

ホテルマンとして就職することを諦めきれないサリーは視力が弱いことを隠して面接に挑む。サリーの視力はほとんど見えないも同然だ。相手を認識することすらできない。そんな状態で音と記憶を頼りにホテルマンとしての仕事をする。見ているこちらがハラハラしてくる。サリーは非常に能力は高いのだが、目が悪いとどうしても対応できない場合がある。このハラハラドキドキ感がすばらしい。

■ストーリー
驚きに満ち溢れた嘘のような実話を映画化。真面目で成績優秀な学生・サリーは、先天性の病気で視覚の95%を失ってしまう。一流ホテルで働く夢を実現するため、サリーは一世一代の大芝居を打つ。

■感想
突然網膜剥離となり目が見えなくなる。もし自分がその状態になったらと考えると、とてつもない絶望感に襲われることだろう。障害者として就職するのか、それとも夢を諦めずホテルマンとしての仕事を選ぶのか。最終的にサリーは困難な道だろうと自分の夢を諦めない。

視力がほとんどない状態で、どのようにして接客するのか。記憶や音を頼りに接客したとしても、なんらかのハプニングが起こればまったく対応できないのは明らかだ。そんな状態で周りに視力が弱いことを隠しながら研修を続けるサリーはすさまじい努力家だ。

サリーは研修中に恋をする。相手は納入業者の子持ちの女性ではあるが、サリーに好意をもっている。ここでもサリーは嫌われたくないからと相手に目のことは言わない。もしここで相手に正直に話していたら、どのような結末となっていただろうか。

研修の話もそうだが、もしかしたら最初から目のことを話していたら、即座に不採用になっていた可能性が高い。研修で目が弱くともそれなりにやれるということを示したからこそ、周りの協力を得られたのだろう。

途中では、お決まりどおり何もかもうまくいかない時がある。そこでサリーは自暴自棄になるのだが…。ここでも仲間の助けがあり最終試験を受けるチャンスをもらえる。ここからが本作の盛り上がりのピークだろう。

本試験の際には、視力が弱いことをカミングアウトしている。そのため、試験管もそれに気づきながらみなと同じように厳しい視線を向けてくる。今まで人一倍厳しくサリーに接していた教官は、サリーがミスしたことに気づき、こっそりとサリーにアドバイスする。この場面は最高だ。

本作が実話ということに驚かずにはいられない。



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