2021.4.24 かなり前の作品だが色あせない新しさ【GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊】
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊
評価:3.5
■ヒトコト感想
25年近く前の作品ではあるが、今見てもクオリティはすばらしく、未来の描写がかなり正確だというのがわかる。まだインターネット環境も整備されていない状態で、AIがネットワークを利用してアンドロイドとして活動するという衝撃的な内容だ。ハリウッドの有名監督がリスペクトするように本作の影響を受けた作品は多数存在するのだろう。
国際的なテロ犯である人形使いを追う物語。サイボーグの素子が人形使いを追うのだが、光学迷彩や情報戦などのすさまじい描写が強烈だ。今見ても新しく感じるのはすばらしい。未来の物語ではあるが、舞台が香港のような場所で、音楽もオリエンタル感にあふれている。それらが強烈に融合し結末までは描かれていないが、強烈なインパクトのある作品となっている。
■ストーリー
超高度ネットワーク社会の中で、より高度・凶悪化していく犯罪に対抗するために政府は、隊長・草薙素子少佐を始めとする精鋭サイボーグによる非公認の超法規特殊部隊を結成。公安9課「攻殻機動隊」の誕生である。ある日某国情報筋から攻殻機動隊に警告が発せられる。EC圏を中心に出没し、株価操作・情報操作・政治工作・テロなどで国際手配中の“通称:人形使い"が日本に現れるという。素子は犯罪の中に見え隠れする“人形使い"の影を追う。
■感想
今見ても新しい作品の雰囲気がある。超高度ネットワーク社会の描写も、今の現実を予言したような内容となっている。これらが、まだスマホも存在しない時期に作られたのは衝撃的だ。サイボーグである素子が人形使いを追う。
AIサイボーグが登場し、素子とネットワークを通じて会話をする。この手の内容は森博嗣の小説作品でここ数年で語られているが、20年以上前に本作内部で描かれていたことは衝撃的だ。光学迷彩などは、今の技術ではもしかしたら実現可能かもしれないと思ってしまった。
凶悪犯たちと対決する素子と9課の面々。サイボーグである素子以外は、銃撃されればケガもするし死亡する。株価操作や情報操作など、非常に濃密な内容となっている。国際組織との対決ではあるが、外務省などとの内部的な駆け引きもある、単純な未来を想定したアクションアニメではない。
結局のところ本作では結末までいかないのだが、それでも強烈なインパクトがある。素子のアグレッシブな活動と、対決する敵の個性。特に戦車と対決する素子のシーンは強烈なインパクトがある。
当時は相当話題になっていたが、なぜかまったく見なかった。あまりに各所で絶賛されていたので見なかったのかもしれない。今見ても、この手の近未来ものに違和感を覚えないのはすばらしい。25年前では、さすがに2020年以降では本作のような世界になっていると想定されていたのだろう。
結局のところ、一部は追いついているのだが、まだサイボーグ関連に関しては本作のレベルにまではいたっていない。マトリックスなどが本作を参考にしたと思われるシーンが多数あるのも印象的だ。
名作は、いつ見てもすばらしい。
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