劇場版 名探偵ホームズ 「青い紅玉の巻」「海底の財宝の巻」


 2021.5.30      懐かしさを感じる犬のホームズ【劇場版 名探偵ホームズ 「青い紅玉の巻」「海底の財宝の巻」】

                     
劇場版 名探偵ホームズ
評価:3

■ヒトコト感想
おぼろげながら、子供のころにかすかに見た覚えがあるかもしれない。名探偵ホームズの世界を擬人化された犬で描いている。ホームズ、ワトソン、モリアーティ教授的な主要キャラはそろっている。ホームズの映画は様々な作品を見ているので、定番的な面白さはある。ただ、子供向けアニメなので、ミステリーというよりはドタバタの面白さがある。

宮崎駿が監督をしているので、どこか「紅の豚」のような雰囲気すらある。昔のアニメだからなのか、それとも宮崎駿が監督だからなのか、どうも飛行船のドタバタがジブリアニメに似ていると思えてくる。30分のTVシリーズが2本上映されているような感じではあるが、妙ななつかしさ感じる作品だ。

■ストーリー
TVシリーズに先駆け、1984年に「風の谷のナウシカ」と併映された宮崎駿監督による短編アニメ。「青い紅玉」「海底の財宝」の2本立て。私立探偵ホームズと、その助手のワトソンがモロアッチ教授の企む数々の事件を解決していく。TV用として制作されているために1話が30分に満たないが、その中に宮崎駿お得意のユーモアまじりにして密度の濃いアクションが徹底して詰め込まれており、一瞬たりとも画面から目を離すことができないほどに魅力的。

■感想
TVシリーズはもしかしたら再放送で見たことがあるかもしれない。おぼろげながらに、犬の世界の中でホームズが活躍していたのは覚えている。「青い紅玉の巻」では、宝石店からスリのポリィが宝石を盗む。宝石を手に入れるためモリアッチ教授がポリィを追いかける。

基本はモリアッチとホームズたちのドタバタ追いかけっこだ。面白ポイントはモリアッチ軍団が作る怪鳥メカや昔ながらの機器の数々だ。ホームズの冴えた推理というよりは、ドタバタひたすら追跡を続けるという感じだ。

宮崎駿監督ということで、あちこちでジブリ風な雰囲気がある。飛行船が船に突っ込むシーンなど、空を飛ぶシーンはそのまま紅の豚だ。ボロボロになりながら、落ちそうで落ちない。船に突っ込んで、飛行機は壊れても、船のロープにひっかかりホームズとワトソンは助かる。

子供向けなので複雑なトリックはない。唯一の驚きとしては「海底の財宝の巻」でライサンダー大佐の双子が海賊の棟梁であり、財宝を手に入れているという場面だ。ライサンダー大佐は意図してホームズたちを排除しているのかと思った。

TVシリーズを少しでも見たことがある人は、犬のホームズが活躍する本作を見て懐かしく感じるだろう。劇場版として、ナウシカと同時上映されていたりと抱き合わせで上映されていたらしい。本作単体では厳しいのだが、同時上映としては十分な作品だろう。

本作をきっかけとしてTVシリーズを見るパターンもあるだろう。数々のホームズ映画を見たのだが、純粋な子供向けとして楽しめるだろう。ジブリ作品が好きな人にもジブリの原点を見るようで楽しめるかもしれない。

本シリーズの他の作品も見てみたい。



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