劇場版総集編 メイドインアビス 後編


 2020.3.24      実験台にされ死ねない体に変容した子供【劇場版総集編 メイドインアビス 後編】

                     
劇場版総集編メイドインアビス【後編】放浪する黄昏
評価:3

■ヒトコト感想
絵柄からは想像できないブラックな物語だ。前作ではアビスへ入り込むワクワク感があった。アビスの奥底はどうなっているのか?リコとレグのこれから始まる冒険に明るく楽しい未来を感じた。それが、前編の後半から下層へ降りることの恐怖が描かれており、オーゼンが登場したあたりはブラックな雰囲気が漂っていた。後編となると、さらにブラック感は加速する。

ボンドルドが登場したあたりは、もはやグロテスクとしか言いようがない。子供たちを連れて下層からの上昇負荷の実験台とする。その結果、ミーティは死ねない怪物となってしまう。子供向けのような絵柄に似合わないグロテスクな描写の数々。ただ、内容の整合性がしっかりしているので目を離すことができない。

■ストーリー
々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、アビスの謎を解き明かし、母のような偉大な探窟家を夢見ていた。そんなある日、アビス探窟中のリコは少年の姿をしたロボット・レグと出会い、さまざま様々な困難を乗り越え深層へと進んでいく…。ふたりは深層で不思議な生き物・ナナチと出会う。

■感想
前編から下層へ向かうリコたち。冒頭から、より下層に向かうことで登場してくる怪物たちもレベルアップしている。いきなり襲われ、リコが片腕を負傷し毒に侵されてしまう。子供向けアニメ的な絵柄からは想像できないグロテスクなシーンが目白押しだ。

リコは体を守るために、レグに腕を切り落とすよう頼む。レグは躊躇するが、毒で腫れ上がった腕を見ると決断するのだが…。そこでウサギのような慣れ果て・ナナチが登場しリコを助ける。ナナチは上昇負荷により変異した姿だった。

本作のメインはボンドルドとミーティとナナチなのだろう。研究のためボンドルドがミーティとナナチを上昇負荷の実験にする。片側に負荷が集中するような仕組みの機器に入れられ上昇するミーティとナナチ。結果、ミーティは死ねない怪物へと変容してしまう。

この怪物が、見た目はグロテスクだが声は可愛い猫のような鳴き声を出す。死ねないミーティを死なせることだけを考えるナナチ。レグの能力を知り、レグならばミーティを殺せることができると考え、ナナチはレグにミーティ殺害を依頼する。妙に変容したミーティがかわいく見えてくる流れだ。

ボンドルドは紳士な態度をとってはいるが、やっていることは鬼畜だ。自分のことをパパと慕ってくる子供を、肉塊にしてアビスの上昇負荷の守りとする。人が生命を数日維持できるだけの最低限の臓器だけを残し人をカートリッジ化する。そして、自分の上昇負荷の身代わりとさせる。

かわいらしい絵柄からは想像つかないグロテスクな展開だ。ただ、ボンドルドはアビスを探求するため下層へおりる研究をしているだけ。その熱心さが異常な行動へとうつらせているのだろう。

カートリッジのたぐいは明確に後編では描かれていない。おそらく恐らく続編で描かれることだろう。



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