ブレグジット EU離脱


 2019.6.25      EU離脱国民投票の裏側【ブレグジット EU離脱】

                     
ブレグジット秘録 英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで
評価:3.5

■ヒトコト感想
イギリスのEU離脱の国民投票で何が起こっていたのか。政治学者のカミングスが暗躍する。カミングスはエキセントリックなキャラクターなので、他者に気を遣うようなことはできない。なんでも正直に言うので、他者の怒りをかうこともある。

EU離脱か、それとも残るのか。政治的な駆け引きや戦略など、EU離脱国民投票の裏ではどのような泥くさいやりとりがあったのか。カミングスはデータアナリストの力を使い、今まで見逃されていた有権者を取り込み勝利する。現在でも揉めているEU離脱については、ロビイストや政治戦略家が今になってその結果についてまで批判されている。政治戦略家やロビイストは結果さえ出れば、あとはどうでもよいということなのだろう。

■ストーリー
2016年。政治戦略家ドミニク・カミングスは、EU離脱国民投票に向けて、イギリス独立党のロビイストから離脱派の選挙参謀になるよう依頼される。依頼を受けた彼は、データアナリストの協力のもと、高度なアルゴリズムを使い、相手陣営も知らない有権者でありながら投票したことのない人々「存在しないはずの300万人」を得票のターゲットに絞り込む。そしてソーシャルメディアで離脱を訴えるキャンペーンを始めるのだが…。

■感想
イギリスのEU離脱については現在でもモメている。最初の国民投票の裏ではどのようなことが起こっていたのか。離脱派では政治学者のカミングスが裏で暗躍する。頭脳明晰だが人間的に問題があるため、他者と協力してすすめることができない。

カミングスは独自の考えですすめてしまう。離脱派の政治家たちと共同することはない。いかにもとっつきにくそうなキャラであるカミングスは、周りの批判を無視し、自分が追い出されそうになると、サラリと相手を追い出してしまう。

この手の政治的な駆け引きについては「女神の見えざる手」がある。どちらも政治的な目的のために手段をえらばないタイプだ。カミングスについては、まさに禁断の手段を使っているのかもしれない。のちにカミングスの手法が避難され裁判にかけられることになるのだが…。

恐ろしくなるのは、SNSを利用し広告を配信して投票させるということだ。もしかしたら、普通にネットをやっているだけで勝手に誘導されているのかもしれない。気づかないうちに人間の深層心理に入り込んでいそうだ。

EU離脱が正しいのか正しくないのか。まだ結果がでる前の現在ではわからない。それでも、離脱実行についてモメている現在であれば、離脱という結果は間違いなのでは?と思わずにはいられない。本作のようにEU離脱の立役者として描かれているカミングスは、のちの歴史では世紀の大悪人として語り継がれるかもしれない。

今後、何か大きな国民投票があるとすれば、こぞって各陣営はSNSと広告を使い、有権者を誘導し始めるかもしれない。

有権者が知らず知らずのうちに操作されているのは恐ろしい。



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