ブラックチェンバー 


 2020.6.12      ロシアマフィアに対抗する非合法組織 【ブラックチェンバー】

                     
ブラックチェンバー [ 大沢在昌 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
元刑事の河合が非合法組織であるブラックチェンバーに参加し、犯罪組織が計画する恐ろしい事業を阻止しようとする。ロシアマフィアに命を狙われた河合。そこをブラックチェンバーに助けられたため、河合はブラックチェンバーに参加することを決意する。元北朝鮮の工作員である女を相棒に、巨大な暴力団とロシアマフィアが計画する事業を阻止しようとする。

終盤では暴力団が計画してきた恐ろしい計画が判明する。タイムリーと言ってよいのか。ちょうどコロナウィルスとかぶる部分がある。新種のインフルエンザが世界で蔓延した場合は、誰が儲かるのか。株価が爆上がりする企業の株を買っていれば、それだけで莫大な利益を得ることができる。もしかしたらコロナ騒ぎの裏で大儲けしている人がいるかもしれない。

■ストーリー
警視庁の河合はロシアマフィアを内偵中に拉致されるが、殺される寸前“ブラックチェンバー”と名乗る組織に救われた。この組織は国際的な犯罪組織に打撃を与える一方で、奪ったブラックマネーを資金源にしているという。スカウトされた河合はブラックチェンバーに加わることを決意。その河合たちの前に人類を崩壊に導くおそるべき犯罪計画が姿を現す―。進化し続ける国際犯罪の実態をえぐり出す、クライムサスペンス巨編。

■感想
河合は刑事時代にロシアマフィアのビジネスを邪魔したということで、ロシアマフィアから命を狙われることになる。日本の暴力団であれば、警察に手をだすと組がつぶされるため手をださない。ロシア人であれば日本の警察が手をだせないため、躊躇なくロシアマフィアは河合を殺そうとする。

そこで河合は日本の警察権力の限界を感じ、非合法組織であるブラックチェンバーに参加することを決意する。ロシアと日本の山上組が計画するビジネスを阻止するため河合が奮闘するのだが…。

河合はロシアマフィアと山上組が進めるビジネスを調査するが正体がつかめない。裏DVDの作成なのかと調査するが、ロシアマフィアから情報を入手しその売上規模が莫大なことに驚く河合。山上組を破門された男に近づきビジネスの正体を解き明かそうとするのだが…。

どの程度現実に近いのかわからないが、ロシアマフィアと日本の巨大暴力団組織が、巨大な裏ビジネスにむけて準備しているというのは強烈なインパクトがある。そして、終盤ではそのビジネスの正体があきらかとなる。

強烈なのはそのビジネスだ。コロナウイルス騒ぎの最中に、本作では新型インフルエンザを世界中で流行らせて、その特効薬を作る会社の株価暴騰を狙って金を儲けようとする。現実でも、コロナウィルス騒ぎの中でも大儲けしている企業があるのかもしれない。

作中では、それをロシアマフィアと日本の暴力団が企て、日本に新型インフルエンザのウィルスを持ち込むことを画策している。その結果、どうなるのかを知りながら、やりきる胆力があるのは山上組のひとりの男だけだった。

今の世界を予言するような作品だ。



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