ビリオネア・ボーイズ・クラブ


 2020.6.25      巨大な投資に麻痺しだす若者たち【ビリオネア・ボーイズ・クラブ】

                     
ビリオネア・ボーイズ・クラブ / ジェイムズ・コックス
評価:3

■ヒトコト感想
実話をベースとした物語なので、何かしら最後に手痛い失敗をするというのは想定できた。若者が投資家から金を集め、巨大な利益を得る投資会社を設立するのだが、それは偽りの成果だった。最初に投資を受け、金の相場で損失をだしたはずなのだが…。あべこべに50%もの利益を得たと大声で叫ぶ。その結果、多額の投資を集めることに成功する。

結局のところ、投資の実体としては存在しないまま、集めた金を配当として分配するという昔ながらの詐欺の手法だ。セレブクラブとして大騒ぎし、周りの人々を麻痺させる。本人たちに詐欺の意識がないだけに、ここまで大きな話となったのだろう。崩壊間近となると恐ろしくなる。騙されたと気づいた瞬間の焦燥感はすさまじい。

■ストーリー
舞台となるのは、1980年代初頭ロサンゼルス。「西のウォールストリート」と呼ばれた街で、わずか1年足らずで2億5000万ドルもの取引をするまでに成長を遂げた投資グループがいた。彼らは〈ビリオネア・ボーイズ・クラブ〉と呼ばれ、娯楽と快楽のために、投資家から金を騙し取っては豪遊することを繰り返す。本作は、実在した社交クラブ、そして実際に起きた詐欺・殺人事件をもとに映画化された。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』など、近年、金融関係の実話を扱った作品が多数ヒットするなか、本作はこれまで以上にスキャンダラス、かつ、真実と嘘が入り混じる疑惑の事件を題材にしている。“汚れた金で結ばれた友情"は、どのような結末を迎えるのか―!?

■感想
「ベイビードライバー」でのインパクトある演技をしていたアンセル・エルゴートが、BBC(ビリオネアボーイズクラブ)を設立する。元は事業で成功したいという強い思いがあり、資金を集めるためにはどうすればよいかを悩み続ける。セレブの世界では大金が飛び交う。怪しげな投資話もあるはずだが…。

ジョーは最初にちょっとした投資を受け、金相場に手をだすが、そこで失敗し半分を失ってしまう。失意のジョーだが、残った半分をなぜか投資のリータンだと言って投資家に返す。ここからジョーの架空のセレブ生活が始まる。

ジョーは投資の才能はなかったのかもしれないが、プレゼンの才能はあったのだろう。いくら一度実績があったからと、多くの投資家から金を集めるためには、それなりのプレゼン能力がないとダメだろう。若い男がとんでもない利率の投資話をもちかけてくる。普通は怪しいと思うはずなのだが…。

それら投資家の怪しむ心を、BBCというある意味麻痺したクラブの雰囲気によりすべてを打ち消している。ジョー自身も自分の能力に酔っていたのだろう。後半ではジョーの哀れさが垣間見えている。

ジョーは自分が騙されたことを知る。子供の学費やすべてをジョーに預けた者の絶望を想像し苦悩する。ジョーと仲間は、そこから袋小路に入り込み、どんどんエスカレートしていく。新たな投資を集めるために強引な手段にでたところ、相手を殺害してしまう。

ジョーたちを騙した相手をはずみで殺してしまう。すべては実話を元にしているのが衝撃的だ。若者が投資で成功しセレブなクラブを作り上げ狂ったようなパーティの日々となる。明らかに失敗するフラグが立ちまくっていた。

実話ということに衝撃をうけた。



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