あっぱれ日本旅! 世界一、スピリチュアルな国をめぐる 


 2022.1.18      日本のディープな地域を旅する 【あっぱれ日本旅! 世界一、スピリチュアルな国をめぐる】

                     
あっぱれ日本旅! 世界一、スピリチュアルな国をめぐる [ たかのてるこ ]
評価:2.5
たかのてるこおすすめランキング
■ヒトコト感想
たかのてるこが日本の北海道や沖縄をめぐる。もともと海外の旅エッセイがメインの作者であったが、日本の旅でも問題ないということがわかる。海外ほど特殊なアクシデントはないのだが、北海道のアイヌや沖縄でのはっちゃけた民宿での日々など強烈なインパクトがあることは間違いない。特に印象的なのは沖縄での離島めぐりだ。

離島の民宿では泡盛が飲み放題で一泊二食付きで5千円らしい。激安でありながら、他の宿泊客や店主たちを交えて毎晩宴会を繰り返す。沖縄の緩さもあるのだろうが、経営的に成り立つのか?と思わせるほどの大盤振る舞いだ。沖縄の人々のもてなしは本土では考えられない。人懐っこいというか距離が近いのは間違いないだろう。それら、本性を引き出せるのも作者の力なのだろう。

■ストーリー
まさか、日本がこんなディープな国だとは!65ヵ国を旅するてるこ、脱OLして日本旅へ。高野山では美坊主とプチ修行。北海道ではアイヌのシャーマンとまんぷく儀式。沖縄では80歳のオバアホステスに驚愕、聖地で癒され、最強ユタのお告げに目からウロコ…。離島めぐりで個性派民宿に泊まり、島人のもてなしで心をフルチャージ!無双の爆笑紀行。

■感想
日本国内の、それもディープな場所を旅する作者。高野山での修行体験やアイヌの人々との出会い。明るくはっちゃけた作者だけに地元の人々や他の旅行者と仲良くなるのは早い。独特な風習やアイヌ名があるなど、普通に生活すれば関係することのない場所は確かに魅力的だ。

特別なアクシデントがあるわけではないが、知らない世界なので、どこか海外での旅エッセイに近いものを感じた。日本国内でも経験したことのない場所は、海外と変わらないのかもしれない。

強烈なのは母親とのお伊勢参りだ。「淀川でバタフライ」で登場してきたおかん。かなり強烈でデリカシーがないらしい。母親と娘の二人旅なんてのは仲良し親子のほほえましいものになるかと思いきや、終始喧嘩がつきない。

そもそもふたりの相性は最悪なのだろう。作者の明るさは母親譲りであることは間違いない。同族嫌悪なのかどうなのか。母親との旅行では四六時中不機嫌になる作者。こうなることがわかっていたのなら、旅行なんか企画しなければよかったのに、と思ってしまった。

沖縄での離島めぐりはすさまじい。まず物価の安さと、民宿の店主たちや宿泊客たちとすぐに打ち解ける作者もすごい。作中では沖縄の離島に魅せられ、一年をこの離島に旅行するためだけに働くという者もいるらしい。

民宿でのはっちゃけた飲んだくれの宴会を読んでいると、一年に一回の宴も納得だと感じてしまう。沖縄にきて海で泳ぐでもなくレジャーを楽しむでもない。ただひたすら朝からビールを飲み、夜は泡盛で宴会三昧。本当に休むというのはこんなことなのかもしれない。

沖縄の離島に行ってみたくなる。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp