悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために 


 2019.2.6      高学歴ワーキングプアは衝撃的だ 【悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために】

                     
悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために[ 佐藤 優 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
佐藤優が勉強について同志社大学の神学部生に対して講義を行う。基本は学生に対してどのような勉強をするのかや、神学部生としての進路や大学院へすすむことの是非を解いてる。作者が語る勉強の仕方については、相変わらず説得力があるのだが、かなりの時間を使うことは確かだ。

作者自身も講義でまとまった時間集中して勉強する必要があると言っている。平日3時間、土日5時間勉強し続けるのはかなりの根気が必要なのだろう。それ以外には、神学部の就職先についての話もある。公務員になるための準備や、外交官になるためにはどうすればよいかなど。これから大学生になる人や就職を控えている人が読むとよいだろう。驚いたのは、大学院へ行くと高確率で高学歴ワーキングプアになるということだ。

■ストーリー
就活や公務員試験を突破し、年収一千万円稼ぐ大人になるために最低限必要なのは、歴史力と英語力と数学力、そして…。学ぶべきテキストから勉強時間を作る方法まで具体的に述べ、学生は勿論、キャリアアップを目指すビジネスパーソン、学び直しを志すすべての人へ「悪魔のように勤勉に」勉強する術を伝授。文庫オリジナル。同志社大学神学部特別講義を完全収録。

■感想
大学生がこれから語学を学ぶ上でどのような勉強をすればよいかが語られている。かなりレベルが高いと感じた。おそらくだが作者が言うような勉強をすれば、仕事に使える言葉となるのだろう。初級では、ひたすら時間をかけて徹底的に頭の中に詰め込む。まずこの段階が普通ではない。

平日3時間、土日5時間というのはやる気のある学生ならば可能だろう。社会人にとってはハードルが高い。ただ、本当に語学をモノにしたい場合はここまでやらなければならないのだろう。

就職に対してはSPIを重視しろと言うアドバイスもある。それ以外には数学を勉強しろだとか。相手が文系学生たちなので、このような流れとなっているのだろう。勉強をベースとして、どのようにして自分が希望する就職先に合格するかが事細かに語られている。

もちろん、各種の試験対策についてや、勉強を始める期間についても語られている。公務員試験の中でも種別によっては2年近く対策をしなければならない場合もあるらしい。司法試験の方が法科大学院に通えばよいとあっさりと結論づけているのも作者らしい。

最も衝撃的なのは、大学院への進学(特にドクター)をすすめない部分だ。大学院を卒業してそのままアカデミックな世界へ就職するのは相当にハードルが高いらしい。講師の仕事を得たとしても年収が100万もいかないというのはかなり衝撃だ。

講師になることすら狭き門で、ほとんどの人はアルバイトをしながら研究を続けているらしい。俗にいう高学歴ワーキングプアなのだろう。どこかでアカデミックな世界をあきらめたとしても学部を卒業してから年数の経った者を企業は新卒としてはとらないらしい。このあたり、最初の選択を誤るとどうしようもない状態になるということなのだろう。

高学歴ワーキングプアの実情は衝撃的だ。



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