Uボート


 2021.9.30      潜水艦モノの元祖だ【Uボート】

                     
Uボート ディレクターズ・カット
評価:3

■ヒトコト感想
潜水艦モノの元祖ともいうべき作品だ。潜水艦映画にハズレはないという元となった作品なのだろう。密閉された潜水艦内部での人間模様が描かれている。内部が最新ではないので「ハンターキラー」と比べると内部の原始的な感じが新鮮だ。ディーゼル潜水艦で潜れる深度もそこまで深くない。故障し潜水艦が動かなくなり、内部の空気が不足し始める。

必死にディーゼルエンジンを修理し、どうにか浮かび上がろうと躍起になる。コンピュータ制御された船ではないので、人間の力で動いている感が強い。敵との対決描写や勇ましく進んでいく場面などで流れる音楽も印象的だ。多数の番組で流れていたあの勇ましい曲の元ネタは本作だということをあらためて認識した。偉大な作品であることは間違いない。

■ストーリー
第二次世界大戦を舞台に、ドイツ軍潜水艦の乗組員たちの姿を描いた人間ドラマ。オリジナル版の公開から16年後の1997年に監督が再編集したディレクターズ・カット版。

■感想
ドイツ軍の潜水艦が厳しい戦いを乗り越え任務を遂行する物語だ。潜水艦内部の描写はすさまじい。ディーゼルエンジンで動く潜水艦なので、機械で動いている感が強い。目に見える形で機器がピストンしているのでわかりやすい。そして、故障したとしても、人がスパナを持ちベアリングなどを交換して修理するのは、なんだか新鮮だ。

様々な敵と戦いながら、傷ついていく。敵の爆撃により被害を受け、浸水し沈んでいくというのがある。原始的にバケツで水をかきだすことで、水を排出しようとする。人手をかけて必死に汗まみれになりながら作業する姿がすさまじい。

潜水艦モノのポイントとしては、密閉された空間の中での人間関係がある。乗組員の一人がパニックとなりかけた際には、艦長は銃を持ち出す。周りの仲間はすぐにパニックになった男を寝室へと誘導するのだが…。潜水艦なので一人でもパニックになり、ハッチを開けてしまうと沈んでしまう。

全体が被害を受けるのを防ぐために射殺することもありえるのだろう。潜水艦の外では爆雷が響き渡る中で、ひたすら閉鎖され、周りが海の中で待ち続けるというのは気が狂いそうになるのもうなづける流れだ。

水をかきだし、長時間かけてディーゼルエンジンを修理する。内部の空気が薄くなると酸素ボンベをつけて活動する。もし、仮にこのまま浮き上がることができなければ、皆酸欠で死ぬしかない。潜水艦というのは普通の船とは違う恐怖がある。

一歩間違えれば、海の底から動くことができない。閉所と恐怖と苦しさの三重苦はすさまじいものがある。様々な困難がありながら無事に帰還することができたのだが…。爆撃機の攻撃によりドックの中で潜水艦は沈んでしまう。あれほど必死に生き残ろうとし、無事に生還できたが、あっさりと爆撃で死ぬというのが皮肉な展開だ。

潜水艦モノとして面白さが詰まっている。



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