ハンターキラー 潜航せよ


 2021.5.25      ハイテク化された原潜はゲームのようだ【ハンターキラー 潜航せよ】

                     
ハンターキラー 潜航せよ
評価:3

■ヒトコト感想
潜水艦映画だ。ハズレなしの潜水艦映画だが、設定が荒唐無稽でラストの展開もありえない流れだ。ロシアでクーデターが巻き起こり、アメリカの潜水艦でロシアの大統領を救出してしまう。ラストではロシアの駆逐艦がロシアの司令部へミサイルをぶち込むというありえない展開となっている。ストーリーはさておき、本作の注目すべき部分は潜水艦内部のハイテク化だ。

今まで多くの潜水艦モノを見てきたが、ここまでハイテク化された潜水艦は初めて見た。すべてがデジタル化されており、まさにゲームの世界のような印象だ。デジタル化されたとしても、ソナーを聞いて敵を判断するのは変わらない。潜水艦でありながら、敵の姿が映像化さるのは、技術の進歩が明らかになる部分だ。

■ストーリー
ロシア近海で一隻の米海軍原子力潜水艦が姿を消した。ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜“ハンターキラー"は捜索に向かった先で、無残に沈んだロシア原潜を発見、生存者の艦長を捕虜とする。同じ頃、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊の極秘偵察により、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明する。未曾有の緊急事態を回避するため、ハンターキラーには限りなく0に近い成功率の任務が下る。それは、絶対不可侵の水中兵器ひしめくロシア海域への潜航命令でもあった。

グラスは任務遂行のため、シールズとタッグを組み、禁断の作戦実行を決断するが……。世界の運命は、一隻の潜水艦に託された――。

■感想
グラス艦長率いるハンターキラーは沈没したロシアの原潜を発見し、生存者を捕虜とする。ロシアとアメリカの戦争の危機が勃発する。ハンターキラーはロシアの原潜からの攻撃をなんとか避け、逆にロシアの原潜を沈めてしまう。

そのことをきっかけとし、ロシア内部でクーデターが勃発する。戦争を避けるよう考えるロシアの大統領を国防省の大臣が拘束する。ロシアの内部の状況をアメリカの特殊部隊がスパイしており、すべてを知るアメリカはロシアの大統領をアメリカの原潜で救出しようと考える。

むちゃくちゃな展開だ。ロシアとアメリカが戦争寸前の状況にありながら、アメリカの原潜がロシアの大統領を救出しようとする。一歩間違えると世界に対してアメリカがロシアの大統領を拉致したと思われる危険性もある。

精鋭部隊の活躍やグラス艦長の判断により、ロシアの大統領の救出に成功する。本作はこれで終わらず、ロシアの駆逐艦がハンターキラーを追いかけてくる。ただ、ハンターキラーにいる捕虜のロシア人と大統領がすべてを説明し、駆逐艦はハンターキラーへの攻撃を止める。この判断を現場が行うのはありえない展開だ。

さらに強烈なのは、ハンターキラーへのロシア本部からのミサイルを全て駆逐艦が撃墜し、さらにはロシア本部にトマホークミサイルを撃ち込む場面だ。ハンターキラーがミサイルを撃つと即戦争につながるので、この流れしかないのだろうが…。

ロシアの駆逐艦がロシアの作戦本部を攻撃するというありえない展開だ。ハンターキラー内部のハイテク具合に驚きながらも、攻撃を受けると内部が浸水し手作業により復旧作業が必要なのは、昔の原潜と変わらない。

原潜の進化が映画にも反映されだしたということなのだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp