夢の叶え方を知っていますか? 


 2017.6.20      夢がないのは今が幸せだから? 【夢の叶え方を知っていますか?】

                     
夢の叶え方を知っていますか? [ 森博嗣 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
森博嗣が夢について語る。幼いころからの夢を実現している作者だからこそ語れるのだろう。ただ、根本的には森博嗣の性格がかなり常人離れしているので、一般人に必ず参考になるとは限らない。他の人の夢についてアドバイスもしている。作者のように、ひとりでこつこつ進められる夢ならば問題はない。

他者に認められたり、他者を巻き込まなければ達成できない夢は難しい。そして、夢とは言えない夢を持つ人が多いらしい。確かに、今、自分の夢は何かと尋ねられ、明確に答えられる自信がない。金持ちになりたい?仕事を辞めて自由になりたい?小説家?もしそうなった後、どうなるのか?今に満たされているから明確な夢が思い描けないのかもしれない。

■ストーリー
何故、あなたの夢は実現しないのか?「自分の庭に小さな鉄道を建設することが小学生の頃から夢だった」―。あなたの夢は「見たい夢」か「見せたい夢」か?もし後者であるなら、願いは永遠に実現しない。小説家として億単位を稼ぎ、あこがれの隠遁生活で日々夢に邁進する。それを可能にした画期的方法論。

■感想
「見たい夢」か「見せたい夢」か。夢は何かと尋ねられすぐに答えられる人は少ないだろう。そして、その夢について分析してみると…。今すぐにでもできる夢や、結婚や子供とのことなどは、通過点でしかないなど、夢について作者が語っている。

確かに通過点となる夢もあるだろうし、叶えようと思えば今すぐ叶う夢もある。家族みんなで幸せに暮らす、なんて夢は現状維持ということで夢にはならないらしい。ということは現時点で満たされた状態の人には、夢がないということになる。

作者の夢は明確で徹底している。その夢を達成するために、幼いころから頑張ってきたらしい。本作を読むと森博嗣の徹底した生活ぶりが描かれている。それは作者の夢が、誰かに認められないと成立しない夢ではなく、誰の協力も必要ない夢だからできるのだろう。

夢の生活を送るためには、それなりの資金が必要であり、作者はそれを得ている。他人からは羨まれる生活だが、自慢もなければ人と関わることも避ける。まさに世捨て人に近い生活だが、それこそが作者の夢だったのだろう。

一般人には理解できない夢。それでも夢を考えるプロセスは参考になった。人に認められたいだとか、人に見せたい夢というのは叶えるのが難しい。自分だけで完結できる夢こそが必要なのだろう。ふと、自分にあてはめて考えてみたが…。

悠々自適な生活をしたい?それももしかしたら飽きそうだ。良く考えると、結局は今と変わらない生活が基本的には良いような気がしてならない。そう考えると非常に幸せな毎日を送れているということなのだろうか。定年後が抜け殻のようになりそうな気もするが…。

夢はこれだ、と明確に言える人がうらやましい。



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