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 2015.11.23      死への道連れを探す 【TUBE】

                     


■ヒトコト感想

元国家機密諜報員で今はテロリストとなったギテクが、地下鉄を占拠する。目的は復讐。政府に対して無茶な要求を突き付け、飲まなければ地下鉄の乗客もろとも爆破するという。かなり強引な展開だが、暴走する地下鉄をどのようにして止めるのか、そして、ギテクの計画を止める方法が物語の鍵となる。序盤では、ギテクやギテクを追いかける刑事が描かれ、さらにはその刑事に思いを寄せる女スリが描かれている。

その後、偶然にギテクが占拠した地下鉄に乗り合わせ、刑事の孤高の戦いが始まる。ギテクたちの綿密な計画で、いいようにあしらわれる政府。より多くの犠牲を防ぐために、地下鉄の列車内に人質にとられた人々を見捨てる決断をする。暴走する地下鉄を制御するスリリングな展開に手に汗握ってしまう。

■ストーリー

ソウルで地下鉄の1台が、元国家機密諜報員のギテクによって乗っ取られた。政府から追放され、家族までも皆殺しにされたギテクは、復讐の鬼と化し、政府に無謀な要求を。そんな中、その地下鉄に潜入した刑事と、刑事に思いを寄せる女スリが大惨事を防ぐべく奮闘することに。果たして彼らの運命は!?

■感想
テロリストが地下鉄を占拠し暴走させる。雰囲気はどこかで見たことがあると思ったが、どうやら「サブウェイ123」だ。タイミング的には本作の方が先だが、似ている。サブェイの方は、テロリストとの交渉が面白さの肝となっていたが、本作では、単純にひとりのアウトローな刑事が、ギテクを倒す物語だ。

暴走する地下鉄を制御室で監視する場面や、ルートを変更する場面など、どちらも似ている。正面衝突の危機に覚えながら、予定調和的ではあるが、緊迫感あふれる一瞬を楽しむべき作品だろう。

暴走地下鉄をどのようにして止めるのか。普通の電車ではなく地下鉄というのがポイントかもしれない。密閉された空間で、四方を壁に囲まれた状況というのは息苦しさがある。そんな中で、テロリストたちに支配された鉄道内部は非常に恐ろしさがある。

政府が人質奪還のため、強硬策にでる場面では、地下鉄ということを最大限に利用している。結局のところギテクの行動は、刹那的であり破滅へ向かうしかない。はなから無茶な要求であることは誰もが気づいていたはずだ。死への道連れを探すような流れだ。

地下鉄に同乗した刑事と女スリの関係が良くわからない。いつの間にか恋愛関係となっており、ラストの場面では、乗客を助けるためにひとり死の車両へ向かう。ラストの泣きの場面は、ちょっと押し売りの感じがあるが、その場面までで感情移入できていれば感動したのだろう。

自分を犠牲にして乗客を助ける刑事。婚約者が乗る地下鉄を犠牲にするルート変更を行う職員。部下が死に行くのを見守るしかない上司。複数のパターンがある。これだけあれば、どこかに感情移入できるだろうということらしい。

暴走する列車というのは、映像のインパクトから映画化しやすいのだろう。



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