トミーノッカーズ 下 


 2017.11.28      町の門番は自動販売機 【トミーノッカーズ 下】

                     
トミーノッカーズ 下 / スティーヴン キング
評価:3
スティーヴン・キングおすすめランキング
■ヒトコト感想
上巻では怪しげな埋没物とそれに振り回される人々が描かれていた。正体不明であり、何かしら宇宙人的な何かを想像できた。下巻ではそれらがはっきりと明確に何であるかが描かれている。さらには、宇宙船の影響でヘイヴンの人々が大きく変化していく。

恐ろしいのが外部の人間がヘイヴンへ近づこうとすると、それだけで体調が悪くなり鼻血がでるという部分だ。逆にボビたちがヘイヴンからでると体調不良となり、あわよくば死んでしまう。宇宙船の影響によりヘイヴンの住人たちが進化していく。それは良い進化なのかはたまた…。ヘイヴンの人々はどこか宗教にはまりこんだようにひとつのことしか目に入らない。強烈な状況だ。

■ストーリー
大量の乾電池などを使い、家庭の日用品をつぎつぎと改良していくヘイヴンの人々。町には不可解な死亡事故や失踪事件が頻発している。森の奥深くからは、怪しい緑色の光が…。平和だったヘイヴンに何が起っているのか?ボビはどこまで“進化”していくのか?SF的趣向とモダン・ホラーが渾然一体となったキング・ワールド。

■感想
宇宙船の近くで生活すると体が進化していく。日用品を次々と未来の機器に変貌させていく。その原理は、本人すらもわからなない。間抜けなのが大量の電力が必要だからと電池を使うという部分だ。物語の終盤ではなぜ電線を使わなかったのか。

電線からの電気は交流だからダメ、電池は直流だから良いという論理だ。なんだかそんなことのためにヘイヴンの若者が命をかけて電池を買いに行くというのもバカげている。ひとつのことに没頭する人々は、何かが抜けているのだろう。

ボビのお姉さんがヘイヴンへやってくるまでの流れは強烈だ。かなり気難しいボビの姉がボビの進化した姿をみると、恐怖におののいてしまう。この手の作品では、埋没物の正体が何かというのを結局はっきりさせずに終わるパターンもある。

本作では終盤にヘイヴンの人々の努力により穴を掘りすすみ、見事ハッチを開け宇宙船内部にまで入り込んでしまう。そして…。まさかすべての元凶である宇宙船の内部に宇宙人を登場させるとは思わなかった。

ヘイヴンの周りの町の人々が少しずつヘイヴンがおかしいことに気付いていく。身内や知り合いが誰もヘイヴンの住人と話ができていない。近づこうとした者たちは行方不明になる。

このおかしな現象に気付く一部の者と、ヘイヴンの毒気から逃れる方法など現代の科学と、ヘイヴンの進化した超科学のある意味対決のような形となっている。結局のところ宇宙船により進化のロジックが説明されることはない。それでも、いつの間にか宇宙人を含めて、すべては当然のことのように思わせる説得力がある。

ヘイヴンの門番的役割の自動販売機が襲い掛かってくるのは恐ろしすぎる。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp