トミーノッカーズ 上 


 2017.11.6      地中に埋まる謎の物体の恐怖 【トミーノッカーズ 上】

                     
トミーノッカーズ〈上〉 /スティーヴンキング/〈単行本〉
評価:3
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■ヒトコト感想
ボビが地中に埋まっている何かを見つけてしまったがために、その後大きな不幸がおしよせることになる。上巻の段階では地中に埋まった謎の緑の光を放つ物体の正体は不明のままだ。光を浴びたボビが突如として信じられない物を発明してしまう。また、別の場所では子供が物体を消したり出したりする手品を披露するのだが、それは手品でもなんでもない。

緑の光を浴びた者たちが、少しずつおかしくなっていく。田舎町で巻き起こる恐怖。手品で消すのではなく、謎の力で本人も知らないどこかに消してしまう。それぞれのエピソードで登場してくる恐ろしい状況が、だんだんと繋がっていく。まる宇宙人が地球人を滅ぼすために地中に埋めた物体のように感じられた。

■ストーリー
せんじつめれば全て偶然のいたずら、あるいは運命でしかない―あの日メイン州ヘイヴンの森で、ボビ・アンダーソンが何物かにつまずいたことも、好奇心から地面を掘り返しはじめたことも。(ボビが大変なことになっている!)虫の知らせを感じ、訪ねてきたかつての恋人ジム・ガードナーは、驚くべき光景を目の当たりにするが…。

■感想
恐怖の元凶の正体が不明なため、なおさら恐ろしい。ボビが見つけた地中深くに埋まるなぞの物体。UFOなのか何なのか。緑の光を浴びたボビがまずおかしくなる。と言っても気が狂うとかではなく、物理法則を無視するような発明をしてしまう。

眠らずにひたすら発明に没頭し、頭の中で思ったことをそのままタイプライターに自動で出力する。今までは控えめな性格であったボビは、虫の知らせを感じて駆けつけたジムに対して異様なハイテンションで対応する。緑の光の効果としか思えない。

最も恐ろしいのは何も知らない子供のエピソードだ。緑の光の効果により、種のない手品を発明してしまう。大きな布をかけ、ペダルを踏むと布で隠された物は消えてしまう。もう一度ペダルを踏むと元どおりに戻っている。大人たちは仕掛けがあると思い込んでいるのだが…。

弟を消そうとする兄。生きているモノを消すのは初めてだが…。手品を実行してからのパニックはすさまじい。自分でもどこに消えているのかわからない手品。もう弟は戻らないと感じずにはいられない。

緑の光により少しずつ狂っていく人々は続出する。ある者は浮気性の旦那を感電死させる。ある者は幻覚を見て、ある者たちは手品で消え去った子供を探す過程で、恐ろしい状況に直面する。上巻では、ひたすら恐ろしいエピソードが続く

地中に埋まった物の正体がわからないので、今後どうなるのか想像がつかない。UFOの落し物なのか。偶然躓いたため、ボビがその物を掘り起こそうとしたことがすべての始まりなのだろう。物体の正体が下巻で明かされるのだろうか。

どのようなオチとなるのか、気になって仕方がない。



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