修羅場の極意 佐藤優


 2016.6.20      修羅場の極意を学ぶ対象が大物すぎる 【修羅場の極意】

                     
修羅場の極意 [ 佐藤優 ]
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■ヒトコト感想
逮捕拘留されるという修羅場を経験した作者が、修羅場にてどのような振る舞いをするのかが描かれている。作者が修羅場を経験した中で、参考にした人物について記述がある。ヒトラーやイエスキリストなど歴史的な有名人もいれば、聞いたことのない知識人もいる。ただ、それらの人物による修羅場の攻略方法を自分にあてはめて考えるのはやはり難しい。

どちらかと言えば、巻末に対談として収録されている西原理恵子の修羅場の方が身近に感じた。それぞれ個人で様々な修羅場はある。物事をどのようにとらえれば修羅場をくぐり抜けることができるか、ということを言いたいのだろう。すぐさま参考にするというわけではないのだが、印象的な言葉を心にとどめておくのも良いだろう。

■ストーリー

修羅場には独自のルールがあり、それに対応する作法がある。イエス、宇野弘蔵、西原理恵子ら多岐にわたる達人から、どんな極意を学べるか?ヒトラーら反面教師の「悪知恵」とは?外交と政治の修羅場を駆け抜け、獄中で深い思索を重ねてきた著者が贈る、実践的アドバイス。

■感想
修羅場におけるルールとはいったい何なのか。修羅場を経験してきた作者や、歴史上の人物から金言を得る。修羅場の極意を学ぶ相手としてはイエス・キリストまで登場してくる。さらには反面教師としてヒトラーまで登場し、いつものごとく自分は知らない知識人の名前も上がっている。

それらの修羅場は一般人が経験する修羅場とは段違いで、実践できるようなことではない。ただ、考え方を学ぶには良いのかもしれない。本作に登場してくる修羅場は、あまりにもすさまじすぎるため、自分にそのまま当てはめるのは不可能だ。

身近なところで言うと、巻末に西原理恵子との対談が収録されている。そこでの西原の修羅場は、もしかしたら一般の人でも経験する可能性のある部分かもしれない。生きていく上での修羅場は人それぞれあると思う。そこでどのような対応をするのか。

慌ててあたふたするのか、それとも本作を読み、段違いにすさまじい修羅場を頭にいれておくことで、自分の修羅場は大したことないと思うだろうか。相変わらず知的レベルが高い人を対象にしているので、それなりに知識がないと辛いのは確かかもしれない。

普通に考えられる修羅場としては、今の自分の生活が脅かされる状況だろう。突然大病をわずらうだとか、会社を首になるだとか、金がなくなるだとか。尋常ではない修羅場を経験してきた作者だけに、その言葉には衝撃を受ける。

自分とは関係のないこととして受け止めるのは良い。間違っても、自分がその修羅場に直面することを想定するようなことはないだろう。修羅場の作法を知るべきか知らないべきか。普通の人ならば知る必要はない。ただ、知っておいて損はないだろう。

修羅場の極意を学ぶ対象が大物すぎる。



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