正直に語る100の講義 森博嗣


 2016.12.14      森博嗣が様々なことにつっこむ 【正直に語る100の講義】

                     

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■ヒトコト感想
作者が疑問や不思議に思うことを赤裸々に語る。主に言葉の定義や言葉をそのまま受け取ると、相手に悪い印象を与えることについて書かれている。作者の主張することは確かに間違ってはいない。言葉の本来の意味通りに受け取り、そのまま対応する。それは間違っていないが、一般的な使い方とはかけ離れているので、相手に違和感を与えることは間違いない。

講義というよりツッコミといった方が良いのかもしれない。あからさまに相手を否定しているが、それが悪いわけではないという変な保険をかけたりもしている。偏屈な森博嗣だけに奥さんは大変だろうと想像できるが、その想像どおりのやり取りが描かれているのも面白い。

■ストーリー
“本音の鍵”、失くしていませんか?自分だけの「世界の見え方」を取り戻す一冊。

■感想
作者が語る100の講義。特別なテーマでまとめられているわけではない。作者が感じたことをつれづれなるままに描いた感じかもしれない。「トランスフォーマーは無駄な部品が多い」なんてのは、ただのいちゃもんでしかない。

見た目的なスタイリッシュさよりも機能重視を考えた場合、トランスフォーマーはいけてないらしい。まさにクレーマー的な考え方だ。SNSやツィッターでつぶやくことについても作者のスタンスがはっきりしているので、いちゃもんはつきることががない。

作者は言葉を言葉のとおり受けとめたり、使ったりするらしい。何かを依頼された際に、どのような理由でそのことをやるのかという疑問を解決するため「なんで?」と聞くらしい。そこには、依頼されたことを拒否する意味合いはいっさい無いらしいが、相手にそうとらえられると嘆いている。

これは当然のことで、このことをもし本心で語っているとしたら、ただのコミュニケーションに難がある人物でしかない。サイン会でサインを書かずに名刺を渡すだとか、偏屈であることは想像していたが、かなり強烈だという雰囲気を感じとることができた。

戦略として、目的地までの地図を描くのが重要だと語る。地図があったとしても自分が今どの位置にいるかを把握するのが難しいと作者は語る。確かにもっともなことを語っている。カーナビがすぐれているのは、地図上で今自分がどこにいるかがはっきりわかることだと言う。

自分が何か目標を立てた際に、自分が今いる立ち位置をしっかり把握しないまま、地図の目的地だけを見たとしても、なんの意味もない。ある意味適格で、何をするにも参考になる考え方かもしれない。

偏屈で屁理屈が多い作者だが、たまに痺れるような鋭い内容がある。



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