死霊館


 2016.10.16      アメリカの霊は口からヘドロを吐く 【死霊館】

                     


■ヒトコト感想
実在する心理学者夫妻が体験した事件を描いた本作。よくあるアメリカのホラーという感じだ。古びた洋館。そこに越してくるベロン一家。奇妙な現象が起こり、秘密の地下室の存在も明らかとなる。中盤で恐怖の元凶が姿を現し、わかりやすホラーが展開される。恐ろしげな老婆や、静かにたたずむ子供。そして、庭の木には首を吊った死体まで。

まさに屋敷周辺は心霊現象のオンパレードだ。女ばかりの四人姉妹は恐怖におののき、母親は霊にとりつかれてしまう。アメリカ的なのは、牧師が悪魔祓いをするという部分だ。牧師の資格があれば悪魔祓いができるらしい。悪魔祓いをすれば心霊現象は必ず治まるという流れも、なんだかアメリカ的だ。

■ストーリー
実在の心霊学者夫妻が体験した衝撃の事件を元に描くホラー。古びた一軒家に越して来たペロン一家は奇妙な現象に悩まされ…。

■感想
日本のホラーとは明らかに異なる流れだ。ただ、実在する心霊学者夫妻が自分の経験を物語としたということに、妙な興味を覚えてしまう。心霊現象が発生しても、金をかけて修繕した家からは引っ越すことができないと嘆くベロン一家。有名な心霊学者夫妻を呼び寄せ、分析を依頼するのだが…。

この夫妻は霊能力のある妻により成り立っている。お決まり通り、誰もいないはずの部屋から物音がし、突然、部屋の物があたりに飛び散るポルタ―ガイスト現象が起こる。アメリカンホラーの定番かもしれない。

心霊現象が起こる恐ろしい洋館。複数の幽霊の存在が明らかとなるのだが、心霊学者夫妻は何もできない。カメラマンがなんとか写真を撮ろうとする程度だ。そこからはひたすら心霊現象に翻弄され続けることになる。あげくの果てには、母親が霊にとりつかれてしまう。

スペル」でもそんな描写があったのだが、アメリカンホラーでは、霊が口から吐き出すヘドロのようなものが人間の口に入ると、その人物は霊に取りつかれるらしい。このあたり、日本とはかなり雰囲気が異なるので、気持ち悪く驚きの場面だ。

心霊学者夫妻の夫が、牧師の資格はないのだが悪魔祓いをする。このあたりがよくわからない。正式な牧師に依頼すれば悪霊が祓われるという流れがあるようだ。どんな悪霊に対しても牧師の悪魔祓いは万能のようだ。このあたりも、日本ではそう簡単に悪霊を祓うことはできないのだが…。

心霊学者だからといって科学的に検証するわけではない。結局のところ、ありきたりな悪魔祓いで物語は終わっている。ただ、本作がすべて現実だ思わせることで、面白さはわいてでてくる。

実話ベースという前置きがなければ、ありきたりなアメリカンホラーだ。



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