2016.5.26 宗教について少しだけ優しくなれる 【サバイバル宗教論】
サバイバル宗教論 [ 佐藤優 ]
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■ヒトコト感想
宗教についてはほとんど考えたことはない。というか、日々の生活の中で、宗教は身近ではない。そのため、作者の語ることは自分の中では非常に新鮮だった。キリスト教や仏教、イスラム教などの根本的な違いや、宗教観など。ただ、宗教家たちに向けて講演した内容をテキスト化したものなので、聴衆がそれなりに知識がある前提での話となっている。
このあたりのギャップは地味に辛いかもしれない。中には何のことを話しているのかまったくわからない部分もある。宗教が身近でない人には、どこか他人事のように思えるかもしれない。自分自身も、別世界のことのように考えながら読んでしまった。民族と宗教の関係や国家との関係など、興味深い内容が多々ある。
■ストーリー
目に見える政治や経済の動きを追うだけでは、世界は分からない。民族や国家の原動力となり、実際に世界を動かしているのは、しばしば目に見えない宗教だ。宗教を知ることは単なる教養のためではない。今後の世界を生き抜くために必須の智慧だ。禅宗寺院の最高峰、京都・相国寺で行った特別講義の全4回テキスト!
■感想
作者が宗教について語る。宗教というとオウム真理教などのカルトなイメージがあり、必ずしも良いイメージはない。特に宗教が身近ではない人にとっては、宗教にはまっている人は、どこか異質のように感じてしまう。
自分が良く知らないことで、あまり良いイメージがないから勝手に悪い物だと決めつけてしまっている。そんな世間の流れからか、周りにあからさまに宗教にはまっていると言う人はいない。ただ、宣言しないだけで、宗教を信仰している人は当然多いのだろう。
自分はほとんど宗教について知識がない。そのため、本作を読むことでそれなり宗教とはどんなものなのかを知ることができた。そして、民族との関係や国家との関係もわかりやすく説明されている。目に見えないことのために、なんだか胡散臭く感じてしまう。
が、正しい考え方や信仰の仕方をすればまったく問題ないのだろう。本作を読んだからといってキリスト教を信仰するなんてことにはならない。ただ、宗教について少しだけ優しくなれるような気がした。
自分が幼いころに、何げなく「うちは何教?」と聞いたことがある。その時、父親は仏教で浄土真宗かなぁ?と答えていたような気がした。うちの家庭で宗教の話がでたのは、その時ただ一度だけだ。恐らく祖父の家での葬式や法事での話なのだろう。
家系的にまったく宗教には縁のない家なので、今後も恐らく変わることはないだろう。だからといって宗教を毛嫌いすることなく、他者の信仰に対しても、それなりに寛容な心で受け止められる気がした。
ある程度宗教に対する知識があれば、より楽しめたかもしれない。
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