みんなのふこう 


 2017.7.22      不幸を呼び込むココロちゃん 【みんなのふこう】

                     
みんなのふこう〜葉崎は今夜も眠れない
評価:3
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■ヒトコト感想
葉崎市シリーズ。地元のラジオ局である葉崎FMで放送される「みんなの不幸」にて投書を読む形で物語はスタートする。常に不幸なことに直面する17歳のココロちゃんのエピソードが語られることになる。最初はギャグっぽく描かれており、ココロちゃんの不幸な境遇と、その後、結末が語られる形の短編が続く。

ココロちゃんを見守る同級生のぺんぺん草ちゃんのエピソードはほとんどない。信じられないような不幸な人生を歩むココロちゃんと、周りにうごめく不幸の元凶たち。ココロちゃんが自分の不幸を認識せず、常に前向きなのが良い。人を信じやすく騙されやすく、何かとついていないいない存在。ココロちゃんの人生を読まされると、なんだかほっこりとした気分になる。

■ストーリー
田舎町のラジオ局・葉崎FMで、毎週土曜夜に放送される読者参加型番組「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が評判の人気コーナー。そこに届いた一通の投書。「聞いてください。わたしの友だち、こんなにも不幸なんです…」。

海辺の町・葉崎を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんがくりひろげる、楽しくて、ほろ苦い、泣き笑い必至な青春物語。

■感想
ラジオ番組のワンコーナーで身の回りの不幸な出来事を報告するコーナーがある。そこでココロちゃんという、常に不幸な状況にある少女の話が紹介される。信じられないような不幸が最初に語られるが、その後にその真実が明らかとなる。このパターンが良い。

ココロちゃんは様々な人に騙され、いつのまにか変な植物の栽培を手伝うことになる。その後、大麻の違法栽培容疑である男が逮捕されたというニュースが流れる。基本的にはココロちゃんが関わると、何かしら事件や事故が起こるという流れだ。

ココロちゃん本人があまり不幸だと感じていないのが良い。常に前向きで、基本が不幸な状況なので、例えかなりぼったくられた給料であっても、貰えるだけ良いという考え方だ。そんなココロちゃんを当然のごとく騙そうとする悪い者たちがいる。

怪しげな宗教団体に生命保険をかけられ、殺されそうになったり、強烈なトラブルに巻き込まれたり。ミステリー的な面白さは、日常の中に存在するちょっと異常なミステリーがある。強烈なのはココロちゃんの周りに存在する悪意ある人々だ。

葉崎市シリーズを読み続けている人にはおなじみのキャラも登場してくる。あのミステリー作家がエッセイの中で日常を語るのだが、ココロちゃんのエピソードに負けないほど面白不幸エピソードが続いていく。

コージーミステリー的な面白さはないのだが、ココロちゃんを騙そうとした悪意ある人々が、結果的にはそれなりに報いを受け、純粋なココロちゃんはなんとなく平和に暮らせそうな雰囲気のラストとなっているのも良い。

ココロちゃんは、今どきありえないほど純粋な少女だ。



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