言の葉の庭


 2018.2.14      ひねくれた恋愛映画 【言の葉の庭】

                     
小説言の葉の庭 (角川文庫) [ 新海誠 ]
評価:3

■ヒトコト感想
君の名は。」の監督が過去に作った作品だ。靴職人を目指す高校生が淡い恋心を抱く。謎めいた年上の女性というのは、それだけで高校生からすると魅力的に感じてしまう。雨の日にだけ出会うユキノは謎めいている。それぞれがお互いに惹かれているのを理解しながら、一歩先にすすむことはできない。後半ではユキノの正体がはっきりする。

正直、高校生のタカオは無頓着すぎる。自分の高校の教師であるユキノに気づかずに恋心をいだく。ユキノが生徒からのイジメにより心を病み退職したことについて、激怒するのもわかる。この監督は一貫して恋愛を描いているのだが、その内容がどうにも自分の心にはしっくりこない

■ストーリー
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた…。

■感想
「君の名は。」で新海監督がブレイクする前の作品。高校生のタカオと謎の年上の女性ユキノは、雨の日だけ公園のベンチで語り合う物語だ。前半では、雨の日だけ会えるという限定感と特別な雰囲気がふたりを惹きつけることになる。

ユキノはチョコレートを持ち歩き、タカオはスケッチブックを手に靴のデザインを考える。ふたりはぎこちないながらも、だんだんとその距離を縮めていく。タカオが弁当を作っていくころから、ユキノがなんらか体に不調をきたしているというのがわかってくる。

ユキノが普通ではないことに気づくが、タカオはユキノから目を離すことができない。その状態でユキノの正体をタカオは知ることになる。ユキノが自分の高校の教師だと知り、衝撃をうけるタカオ。そして、ユキノがしばらく学校に来なかった理由も語られることになる。

同じ高校の教師のことをまったく知らず、公園で出会い恋をする。当然ながら、ユキノはタカオの制服を見て自分の高校だと気づいたことだろう。にもかかわらず、タカオをもてあそぶようなことをしたユキノの罪は大きい。

ちょっとひねくれた恋愛を描いている。恋愛が成就するわけでもなく、ユキノは生徒との関係だけでなく、不倫を匂わせる言葉もある。明らかにタカオがユキノに熱を上げているだけなのだが、ユキノがそんなタカオを見て楽しんでいたり、もしかしたら少しだけ優越感にひたっていたのかもしれない。

なんだか、それら歪な状況を感じずにはいられない。特殊な状況の中で、タカオとユキノの感情にどのように決着をつけるのか。どうもユキノに好感はもてない。そればかりか、タカオの変な感情にもまったく共感できなかった。

この監督の恋愛作品は、どうも苦手だ。



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