コロニー5


 2016.10.9      飢えた人間の狂気 【コロニー5】

                     


■ヒトコト感想
世界が雪に覆われた氷河期となり、人々は地下で生活するしかない。この手の氷河期モノとしては「スノーピアサー」が印象的だった。氷河期の世界で生活するには、スノーピアサーは自家発電付きの列車内であり、本作では地下深くで生活することになる。どちらも閉鎖的な空間で、他にどのような生き残りがいるのか天候は変わるのかの希望はない。

先の見えない陰鬱とした世界の中で、必死に生きる者たち。そこで別のコロニーとの連絡が途絶え、調査することになるのだが…。雪深い中をひたすら歩きたどり着いた先は地獄だった。人間の本性というか、生きるためには人間は進化していくと思わされる流れだ。飢えの恐ろしさが強烈に描かれている。

■ストーリー
雪が降り続き氷河期に入り、人々は地下にいくつかのコロニー<居留地>をつくり生活をしていた。ある日、コロニー5との連絡が途絶え、コロニー7のリーダー格ブリッグス(ローレンス・フィッシュバーン)とサム(ケヴィン・ゼガーズ)たちは様子を見に行く。

しかし、そこには飢えで豹変した人間によって人々が殺され悲惨な状況だった。危うく殺されそうになるも、なんとか逃げ延びたサムはコロニー7に帰還。かし、仲間のメイソン(ビル・パクストン)の横暴な支配によって、コロニー7はメイソンのものになっていた。さらに彼らがやってきて…。

■感想
人は極度に植えるとどうなるのか。世界が雪に覆われ氷河期となると、人は地下で細々と生きるしかない。貴重な食料となる種を大事にとっておき、じっくりと育て食料とする。地下ではある程度のコミュニティが作り上げられたとしても、それは束の間の安寿の地でしかない。

他のコロニーと綿密な連絡をとっていたコロニー7だが、そこでコロニー5からの連絡が途絶える。凍死する危険をかえりみずにコロニー5で何が起きているのか調査に向かう男たち。悲惨な出来事が待ち受けているのは確実だ。

人は極度の飢えにさらされると、どのように変貌するのだろうか。コロニー5での惨劇は強烈だ。人が人を喰う。まるでゾンビのように向かってくる。銃を打ち込んでもひるむことなく向かってくる。ゾンビと違うのは、相手が全力疾走で向かってくるところだ。

どれだけ逃げ回ろうとも、相手は全力で向かってくる。コロニー7に帰りついたとしても、足跡から居場所を知られてしまう。人が怪物に変わる瞬間とでも言うのだろうか。狂気に満ちた表情はすさまじい。

世界中が雪に覆われたと思われた時、微かな希望が見えてくる。本作では全面雪景色から突如として激しいアクションが繰り広げられる。雪の中で生き残るための希望は、青空しかない。ラストの展開は少し不満というか、細かい説明がないまま物語はすすんでいる。

スノーピアサーほど絶望感や、不思議な印象はない。生き残るために地下にもぐり、そこで激しい殺し合いが起こる。人が豹変し狂気の表情で追いかけてくるのは恐ろしい。一瞬、なんらかのウィルスのせいかと思ったが、いっさい説明はされない。

ラストは不満の残る流れだ。



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