国家のエゴ  


 2017.3.4      国家とは何者なのか? 【国家のエゴ】

                     
評価:2.5
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■ヒトコト感想
国家というものがどういったモノなのかが語られている。今まで国家とは?なんてことは考えたこともなかった。税金を徴収され、国が国民のために金を使う。誰が国家の意志を決めているかというと、それはよくわからない。佐藤優はよく国家が、というが、言いたいことはわかるが、誰がというのを国家とするのはずるい気がしてならない。

国策捜査は時代がそうさせたということなのだろうが、だとするとマスコミが操作しているの?なんてイメージをもってしまう。ただ、本作を読むことで、国家というものがなんとなくよくわかった。第2部は正直どうでも良いかもしれない。戦争参加を誰が決めるのか?というのは非常に興味深い問いであることは間違いない。

■ストーリー
戦争参加を決めるのは誰か?命じられたら人を殺すのか?今の安保法制は使いものにならない。だからといって、戦争について無知であってはならない。なりふり構わず生き残りを図る国家は、いずれ国民に様々なことを強制し始める。第1部では国家に振り回されないために大切なことを、第2部では姜尚中氏を聞き手に、今、日本が「すべきこと」と「すべきでないこと」を喝破!

■感想
戦争参加を決めるのは誰か?というのは非常に興味深い。アメリカなどでは、軍事企業だとか、都市伝説的にはロックフェラー家だとかある。日本の場合も、裏で日本を操っているフィクサーたちが何事かを密室で決めているのでは?と思えてしまう。が、実際には世論が重要であるのは間違いない。

となると、世論を操作するマスコミなのか?無自覚にマスコミが戦争へと導いているのかというとそれも違う。結局のところ、誰かが意志をもって日本を戦争へと導いていくのだろう。それをわかりやすく描いているのはすばらしい。

国家なんてことを真剣に考えたことはない。国に税金を取られ公共事業を行う。国家の意志というのを感じることはない。普通の国民は、国家が、なんてことは考えることはないだろう。というか、国家に意志があると考えることはない。

ただ、実際には国家の意志が働いて、なんらかの動きができているということだろう。姿が見えないからこそやっかいなもの。国家がというと、じゃあ誰が悪いのか?という問いかけに対して、明確な責任者はいない。その時の総理大臣が悪いというのが一番の回答なのだろうが…。

第2部は正直いつもの佐藤優の考え方をツラツラとインタビュー形式で時事問題にあてはめて語っているという感じだ。ただ、明確に自分は沖縄人で沖縄独立という言葉を発しているのがポイントだろう。今、沖縄では独立の機運が高まっているのだろうか?

正直、自分はまったくそうは思っていない。沖縄のローカル新聞だとか、一部の過激な思想をもった人以外の、大多数の沖縄人は日本から独立することなんてまったく求めていないような気がした。

国家というものが何なのか、おぼろげながら分かった気がした。



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