消されたヘッドライン


 2015.9.14      スクープを追い求める記者 【消されたヘッドライン】

                     


■ヒトコト感想

国会議員を巻き込んだスキャンダルの裏に隠された謎を解き明かす物語。新聞社の記者であるカルが事件の隠された秘密に気づき独自に調査する。議員のコリンズとカルが親友同士であり、コリンズはソニアと不倫をしていた。そして、カルはコリンズの妻と…。複雑な人間関係と、スクープを追い求める新聞社により面白さが生み出されている。

特にカルと上司とのやりとりはすばらしい。コリンズという特ダネのチャンスを持っていながらなかなか記事にしようとしないカル。短絡的な成果を求める幹部たち。そして、コリンズが秘かに活動していたことは…。物語がすすむにつれ、次々と新事実が登場してくる。真の黒幕には驚かずにはいられない。

■ストーリー

気鋭の国会議員スティーヴン・コリンズのもとで働く聡明で美しい女性職員、ソニア・ベーカーが出勤途中の地下鉄で突然死亡する。スティーヴンと不倫関係にあったソニアの死は、メディアを大きく騒がせていた。一方、カルたちはドラッグ中毒の黒人少年が、裏通りで何者かに射殺された事件を追っているが、一見何の関係もないと思っていた2つの事件がつながる。

■感想
将来有望な国会議員であるコリンズが、殺された職員のソニアと関係があったのではと騒がれる。スクープを目指す新聞社はカルに様々な調査を依頼する。やり手記者のカル。カルの相棒として新人の記者がつき、ふたりで事件の調査をする。

物語は善良で悲しみにくれるコリンズと、巨大な組織による口封じの犯罪、という流れで描かれている。カルが調査を続けると、次第に黒幕が見えてくる。兵器開発の巨大企業がすべてを裏で操作していたのか?謎の軍人が関係者たちを次々と殺していくのは強烈すぎる。

カルが調査を続けていくと、次々と証言する人物が殺されていく。新聞社としてはカルに記事を書かせたいのだが、カルは自分が納得しない限り書かない。親友であるコリンズの独占インタビューを行えば、それだけで新聞の部数が跳ね上がるが行わない。

カルのいぶし銀の渋さと、親友を思いやる気持ちがかっこよい。さらには、元兵士の殺し屋に狙われたとしても、機転を利かせて逃げ切ってしまう。新人記者の存在がアクセントとなり、カルの渋さと能力の高さがよりアピールされている。

ラストでは、今までの一連の殺人の流れが解明される。誰が何のために殺人を行ってきたのか。兵器関連の巨大企業による口封じなのかそれとも…。カルが最後の最後にとんでもないスクープを手にいれる。その流れは誰もが想像し得ない展開だろう。

複雑な人間関係により新聞社を舞台にしたスクープ合戦。日本版では「クライマーズハイ」というすばらしい新聞社を舞台にした作品があるが、扱う事件は異なるが、同じ香りを感じずにはいられない作品だ。

ラッセルクロウがかなり太っているのも気になった。



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