2016.7.1 クリント・イーストウッドの頑固オヤジは定番だ 【人生の特等席】
人生の特等席 [ エイミー・アダムス ]
■ヒトコト感想
父と娘の関係を描いた作品。頑固オヤジを演じれば右に出るものはいないクリント・イーストウッドがメジャーのスカウト・ガスを演じる。娘のミッキーを放置し、仕事人間となったガスが、視力の衰えを感じ、心配する娘との関係に変化がおとずれる。自分の衰えを感じたからこそ若干素直になるガス。これがバリバリの現役であればミッキーをあっさりと仕事場から追い返していただろう。
都合の良いパターンにも思える。ミッキーが大人でガスのわがままを受け入れ、最後にはガスがミッキーを仕事場から避け続けた理由が語られる。正直、親娘関係の話はありきたりだ。メジャーのスカウト絡みの話も先が読めるのだが、ラストでミッキーが見い出した選手が、有望選手をきりきり舞いにする場面は非常にすっきりとした気分になる。
■ストーリー
クリント・イーストウッドが製作と主演を務めた、父娘の絆の再生を描いたドラマ。大リーグのスカウトマン・ガスは、視力の衰えにより引退を目前にしていた。娘のミッキーは父のラストスカウトに付き添うことを決意する。
■感想
クリント・イーストウッドが頑固オヤジを演じると、これ以上ないくらいのはまり役だ。「グラントリノ」の雰囲気とほぼ変わらない頑固なオヤジとして、メジャーにふさわしい男をスカウトする。ガスが眼を付けたのは、プルホスの再来と言われる強打者だ。
ただ、そこでガスは視力が弱まりよく見ることができない。ここで、やり手弁護士として出世間近の娘ミッキーがガスの身を心配してやってくる。ガスとミッキーの間にはなんらかの確執がある。それは頑固オヤジと娘という関係だけでない、根の深い何かのように感じてしまう。
スカウトの場面では、お決まりどおり完璧と思われた強打者に、誰も気づかない弱点があると言うガス。それを理解するミッキー。女だてらにミッキーはガスの影響で野球に詳しく、子供のころから野球に慣れ親しんできたというのがわかる。
これが巧みな複線となり、ラストの結末へと繋がっていく。ガスは周辺の反対を押し切り、強打者の一位指名を否定する。ミッキーも同じ考えを示し、さらには偶然出会う隠れた逸材をスカウトする。このあたり、傲慢な強打者とアルバイトのピーナッツ売りという格差が逆転する面白さがある。
ガスとミッキーの関係修復がなされるのは後半だ。そこではガスがなぜミッキーを仕事場から遠ざけ、親戚の家に預けたのかが語られる。頑固オヤジは頑固オヤジとしてのプライドがあるのか、さっさとそのことを告白すれば良いものを、なかなか言わない。
三十路を超えたやり手弁護士のミッキーは、正論を言い、そして関係は微妙となる。すべてのわだかまりが解けたとき、ミッキーがスカウトした逸材と強打者が対決し、強烈なカタルシスを感じることができる。
クリント・イーストウッドの定番的キャラは、少し飽きてきたかもしれない。