ハンガー・ゲーム2


 2015.7.30      最終作へ向けての準備 【ハンガー・ゲーム2】

                     


■ヒトコト感想

前作のその後を描いた作品。生き残ったカットニスとピーター。二人が奴隷地区のヒーローとなりつつあることを危惧した独裁国家が、カットニスを始末しようとする。新たにスタートしたハンガーゲームは歴代の勝者たちから選ばれることになる。そこで選ばれたカットニスたちは、ルールを熟知したプロたちと闘うことになる。

前作が何もわからずただサバイバルの戦いに生き残ることだけを考えていたのに比べ、本作は最初から要領をわかっているため、効果的な戦いが繰り広げられている。前作ほど面白く感じないのは、何が起こるか、どのような仕組かわからない不安感がないからだろう。すでによく知るルールの中で戦うと、面白さを表現するのは難しくなる。

■ストーリー

生き残った少女に独裁国家が仕掛けた新たなる戦い…それは歴代勝者たちを戦わせる絶体絶命のゲームだった。記念大会となる第75回《ハンガー・ゲーム》に参加するのは、激戦を勝ち抜いた経験を持つ最強覇者たち。気高きヒロイン、カットニスはこの戦いをどう切り抜けるのか?史上最も過酷なゲームが幕を開ける!

■感想
前作はルールもわからず殺し合いの世界で、どのようにして生き残るかが描かれていた。本作では、生き残り、一躍ヒーローとなったカットニスたちを政府が快く思わず、抹殺しようとするところから始まる。カットニスは常に政府に反抗的で、ハンガーゲームのシンボルとされることに困惑しつつ、反抗的な態度であっても、下層地区の住人たちに支持され始める。

新たに始まるハンガーゲームでは、政府の策略により、12地区の勝利者として再び参加することになる。かなり前ふりが長い。ハンガーゲームに入るまでに半分終わっているような感じだ。

今回のハンガーゲームは勝利者のみ参加しているので、みな要領をわかっており、常に最善策をとろうとする。そのため、前作のような何が正解で何が失敗かわからないまま、サバイバル生活を続けるよりは緊張感がない。

カットニスさえも、生き残るためにチームを組み、そして戦い続ける。大統領の思惑とは違った方向へと動き出すカットニス。ハンガーゲームの仕掛けはよりパワーアップしてはいるが、すべては管制室でコントロールされていることを知っているので、前作ほどの驚きはない。

本作のラストを見ると、続編ありきということがわかる。ハンガーゲームのラストではカットニスが政府に宣戦布告するような形となる。そして、救出されたカットニスに新事実が伝えられるのだが…。ある意味かなり意外な展開だ。

カットニスが生き残ることができたのは、既定路線だったのだろう。なんとなくだが、本作は最終作へ向けての準備段階のような気がした。カットニスが明確に自分の使命を理解し、ここから大きく羽ばたいていくパターンなのだろう。

ハンガーゲームとしての面白さは、前作の方が上だ。



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