ゴースト・オブ・マーズ


 2016.2.28      世紀末的なメイクが笑える 【ゴースト・オブ・マーズ】

                     
ゴースト・オブ・マーズ

■ヒトコト感想
火星で突然、殺戮が繰り返される。火星を植民地とした地球人が、先住民の亡霊に取りつかれ殺戮マシーンと化す。非常にB級だ。亡霊にとりつかれると地球人の首を切りたくなるらしい。一種の復讐のようだが、まず亡霊に取りつかれたという描写が面白い。気づけば「DMC」や北斗の拳の悪役的なペイントを顔にほどこす。そしてまさに世紀末的な殺戮をくりかえす。

作品としては真面目なトーンなのだが、見た目が面白いため、ちょっとしたコメディのように感じてしまう。敵を倒したとしても亡霊はまた別の地球人にとりつくことにより生きながらえる。もはや火星から逃げ出すしかない。若いジェイソン・ステイサムが出演しているなど、力を入れているようだが…。微妙な作品であることは間違いない。

■ストーリー

西暦2176年 - 地球人は火星を植民地化していた。そんなある日、謎の古代遺跡を発見した人間の手により、禁断の封印が解かれてしまう。それは火星の先住民族の亡霊たちを閉じ込めていたパンドラの箱だった・・・。

永い眠りから覚醒した亡霊たちは肉体を求めて人間に憑依。邪悪な怪物に変貌したヤツらは次々と人間に襲いかかる! この非常事態を打破すべく火星警察MPFのメラニーと犯罪者ウィリアムズらが協力、火星を舞台に生き残りを賭けた死闘を始める。

■感想
火星を植民地とした地球人が謎の亡霊にとりつかれる。亡霊の姿は見えない。亡霊視点での映像があり、次に誰に取りつくかを選り好みする場面もある。取りつかれると豹変し攻撃的になる。最後には地球人の首を切り取り、丘のような場所にさらし首とする。

必然性はよくわからない。そして、取りつかれたと分かりやすくするように、特徴的なメイクをほどこす。それがまるで北斗の拳のザコキャラのようなメイクで、ボスキャラにいたっては、「DMC」のクラウザー3世のようなメイクをしている。このあたりが作品全体をチープな印象としている。

火星を舞台にした作品だけに、出来事はすべて火星で起こる。その肝心な火星のセットがまるでプラモデルのような形をしている。近未来を表現しているようだが、全体的にチープだ。逃げ出すために用意された電車にしても、箱だけ浮き上がったようなチープな電車となっている。

そこに群がる亡霊にとりつかれた者たち。全力疾走で向かってくるのだが、エキストラの演出がまずいのか、どうにもただめちゃくちゃに走っているだけのように見えてしまった。

若かりしころのジェイソン・ステイサムが登場している。それなりに重要なキャラなのだが、生き残ることはない。脇役として一番目立ってはいるのだが、それなりの扱いだ。物語としてマジメに作り上げ、シリアスな流れにはなっている。

が、亡霊にとりつかれた描写や、取りつかれた者たちが殺戮を繰り返す描写がなんともショボイ。そのため、全体としてB級な雰囲気を拭いさることができない。スリリングさで言うと、取りつかれた者たちが走ってくる場面だけだろう。

このチープな雰囲気というのは、なかなか拭い去ることはできないだろう。



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