2017.6.7 キャラ立ちしてないヤンキー映画 【クローズEXPLODE】
クローズEXPLODE プレミアム・エディション [ 東出昌大 ]
評価:2
■ヒトコト感想
「クローズZERO」シリーズはそれなりに面白かったが、本作ではただのヤンキー映画になってしまっている。この手の作品では、どれだけキャラ立ちしているかが面白さの肝なのだが…。キャラクターに個性をもたせようとはしているが、魅力がない。恐らく演じる俳優の力量や見た目の個性にも引っ張られるのだろうが…。
誰が強くて、その強い者同士が戦い決着をつける的な流れはあるのだが、まったくワクワクしてこない。若手人気俳優を抜擢しての作品なのだろうが、微妙だ。もはやクローズシリーズとしてのブランドが確立されているので、見ていて違和感はないが、冷静に見るとおかしなことだらけだ。強烈なインパクトがあるわけでもない、ガチャガチャした物語だ。
■ストーリー
滝谷源治、芹沢多摩雄らが卒業し、新年度を迎えた鈴蘭高校では空席になった“頂点"の座を狙って新3年生達が次々と名乗りをあげていた。頂点に最も近い男・強羅徹、そのライバルと目される高木哲次、お調子者を装うキレモノ・小岐須健一、凶悪なる転入生・山下甲兵。しかし2人の男の登場で、鈴蘭の勢力図は大きく変わることになる。
「自由気ままに生きたいだけ」と頂点争いに興味を示さない3年転入生・鏑木旋風雄。本能のまま好戦的に暴れる新1年生・加賀美遼平。対照的な2人が互いを宿敵と認めたとき、鈴蘭史上例を見ない内部抗争が幕を開けた。
一方、黒咲工業高校を束ねる柴田浩樹は、暴行事件でドロップアウトした藤原一の存在に頭を悩ませていた。バイクチームO・D・Aのリーダー織田とともに、周辺の不良高校生達に次々と襲撃を仕掛ける藤原。その真のターゲットは、内部抗争によって崩壊寸前の鈴蘭高校だった…。
■感想
このシリーズはヤンキー映画の究極の形を目指しているのだろうか。結局、今までのクローズシリーズと同じ流れでキャラクターが変わっただけだ。前作までは、そのキャラクターの魅力で物語を引っ張っていたのだが、本作はというと…。キャラクターに魅力がない。
主人公の鏑木はステレオタイプのキャラで、喧嘩の強さには興味がない男だ。周りにはガチャガチャとにぎやかしがおり、お決まりどおり極悪なキャラもいる。わかりやすいと言えばそうだが、魅力がない。魅力あるキャラクター同士の対決というのがなく、とってつけたように最後に大決戦があるだけだ。
序盤ではまだキャラクター紹介がされてない状態なので、どんなキャラクターなのかというワクワク感はある。それが、キャラクターの正体がはっきりしてくると、魅力が究極に薄れてくる。極悪なキャラはヤクザに追い込みをかけられ、仕方なく悪事に手を染める。
ラストでは1年生のスカしたキャラが頭を決めるために鏑木と対決する。それぞれの取り巻きたちが戦い、学校の屋上でそれぞれのトップ同士が対決する。ZEROと較べると、それぞれのキャラが小粒なので、戦いにまったく魅力がない。無理やりキャラ立ちさせようとしているのだが…。
ヤンキーマンガの世界をそのまま実写映画化すると、世界観はヘンテコになる。舞台はまさに警察が存在しない無法地帯のようにすら思えてくる。血みどろの抗争は当然として、放火についてもほとんどなかったことのようにされているのがマンガ的だ。
実写映画となると、世紀末の世界のようにすら思えてくる。この手のヤンキーマンガは実写には向いていると思っていたが、他のマンガ原作よりはという但し書きがつくだけで、特別向いているわけではなかった。ZEROシリーズが奇跡的に面白かっただけのようだ。
恐らく続編はないだろう。
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