Classical Fantasy Within 第7話  


 2017.1.14      地上で最悪な土地を横断 【Classical Fantasy Within 第7話】

                     
評価:2
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■ヒトコト感想
残った仲間と共にイスラエルを目指すショーン。前半は、前作と同様に数学的なパズル要素が強い。長方形に線を引いて二つに分ける。どことなく島田荘司の「占星術殺人事件」のネタに近いようにも感じられた。中盤以降は砂金を燃料として超絶なスピードを出せるマシンを手に入れ、一気に目的地へ向かって加速する。

中世の時代、バイクのようなマシンが登場すると他を圧倒してしまう。強烈な恐怖をふりまいていた翼竜ですら、マシンのスピードで振り切ってしまう。さらには刺さると爆発するボーガンを持ち、待ち受ける敵を次々と倒していく。タイムリミットへ向け、ひたすら前にすすんでいく。仲間の犠牲がありながらの道程もついに終わりを迎える。

■ストーリー
残った仲間は、わずか数騎―。この地上で最悪の土地、アル・ヴァジャイヴ横断行の最中、サラディーンを発ったショーン・マスードら王室守備隊の千騎は奮闘虚しく次々に潰えていく。犠牲と苦難を乗り越え、前代未聞の謎解きの果てに手に入れた、「遠い未来の機械」の力を借りて、刻一刻と迫り来る救国のタイム・リミットと闘うショーンは、踊り子サミラへの愛に徐々に目覚めていくが―!?

■感想
千人もの部下は、わずか数人となりイスラエルを目指す。数学的なパズルを解き明かし、そのご褒美として様々な機器を手に入れる。遠い未来の機器として、砂金で爆発的なスピードを生み出すバイクのような乗り物を手に入れる。そして、刺さると爆発する矢を放つボーガンまで手に入れる。

ショーンたちの旅で、これほど強力な乗り物や武器は初めてだ。そのため、今まで出会うと逃げるしかなかった翼竜に対しても、楽にスピードで振り切れるまでになる。ラストへ向けての加速は爽快感に満ちている。

翼竜を振り切り、酸を吐く海月のような生物に対してもボーガンで撃退する。そして、あとは一直線に目的地であるイスラエルを目指すだけと思われた時…。人間の肉を食べる種族と出会い、そこで皆捕まってしまう。

未来の機械の力がなくなると、途端に弱気になるショーン。が、ここでも仲間の犠牲によりショーンは脱出し、見事目的地へ到達することになる。常にもうダメだと思う時に、ショーンは起死回生のアイデアを思いつき、危機をきりぬける。既定路線とはいえ、ドキドキする流れだ。

目的地に到着し、さぁ、何が起きるのか…。ぼんやりとした結末となっている。目的地に到着したことで、サラディーンを救うことができたのか。ラストの流れがよくわからない。ショーンを目的地へ向かわせるために犠牲となったサミラ。そして、ラストでは…。

この地上で最悪の土地、アル・ヴァジャイヴ横断行を成し遂げた結末としては、なんだかはっきりとしない流れとなっている。それまでの困難がすさまじいだけに、壮大なエンディングかと思いきや…。

道中の困難をどのようにして乗り越えるかが本作のメインなのだろう。



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