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　2016.3.3 　　 　　救いのない終わり方だ　【Arknoah2 ドラゴンファイア】

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Arknoah 2 ドラゴンファイア
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■ヒトコト感想
前作から「アークノア」の世界に残ったアール。新たに現実世界でいじめにあうマリナがアークノアにやってくる。現実の世界でのマリナに対するイジメは壮絶だ。歯並びが悪いことがイジメの原因となり、そこからアークノアの世界に入り込む。アールは蛇の魔物を引き連れやってきた。マリナは巨大な竜を引き連れることになる。

アークノアの世界を守るために蛇を探し続けるアールとハンマーガールたち。そこへ新たな魔物が登場したことでアールの立場も微妙に変化していく。アークノアの住人は死んでもすぐに生き返る。アールやマリナは死んだらそれまで。命の重さに差がある状況なだけに、魔物を始末するためとはいえ、本作のオチは強烈だ。

■ストーリー
マリナ・ジーンズは、歯並びの悪い女の子。歯のせいで、不良たちからいじめられていた。歯列矯正の金具をニッパーで切られてしまったりもした。彼女はある日、納屋で見つけた『アークノア』という不思議な絵本の世界に迷いこんでしまう。一方、アール一行は砂漠を列車で横断していた。

■感想
アークノアの住人たちは死んでも次の日には同じ状態で生き返る。アークノアに魔物を連れ込む形となったアールやマリナは死んだら現実の世界でも死がまっている。マリナが連れ込んだ竜により、多大な被害をこうむるアークノア。魔物を倒すには、主人を倒すのが手っ取り早い。

前作では、魔物のみを倒すことでアールの弟を無事に現実の世界へ帰らせることができた。今回の敵は火を吐く竜のため、一筋縄ではいかない。マリナと竜の強い絆と、現実世界での辛い思い出のため、心を開かないマリナ。辛い結末へ一直線のような流れだ。

アールやマリナを殺すことが許されているのはハンマーガールだけ。無慈悲に主人を殺すのが、アークノアの世界を守る一番の近道だ。ハンマーガールは、表面上はアールたちと共に魔物を倒そうとしてはいるが、心のどこかではアールやマリナを始末しようと考えている。

人の命の重さが違う世界。蛇と竜というふたつの魔物を始末するための旅が、いつの間にかマリナと竜だけを始末するための旅に変化している。それは竜の被害の方が蛇よりも甚大だからという流れなのだろうが…。

歯並びが悪いと虐められてきたマリナ。歯列矯正の金具をニッパーで切るなんていうとんでもないイジメをうけてきた女の子は、アークノアの世界で竜と共にひとときのやすらぎを得るはずだった。本作の残酷な部分は、マリナに救いがないことだろう。

竜はマリナを守るために動き回る。マリナは仲間と思っていたハンマーガールやアールに裏切られることになる。竜を止めるという目的から、それが難しいとわかるとハンマーガールはある手段にでることになる。いつかは出てくるだろうと想像したパターンが本作で早くもでてきた感じだ。

イジメから逃げた先でも、幸せは待っていなかった。