若き実力者たち 


 2014.7.18     今や大御所の若かりしころ 【若き実力者たち】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

40年近く前の作品のため、本作に登場する、当時は若かった者たちは、今は老人かもくしは亡くなっている。ジャンボ尾崎にムツゴロウさん。当然、若かりしころはあったのだろうが、どうしても今のイメージで読んでしまう。若くして実力を示し、世間に認められてはいるが、まだひよっこの段階。若いために後先考えず無茶なことをしてみたり、世間に反抗してみたり。

年上の人たちに、眉を顰められるような行動をするのは、若者の特権だろう。そんな行動の数々と、どうしても大御所というイメージが抜けきれないため、なんだかチグハグに感じてしまう。小沢征爾が下っ端なんてのは、まったくイメージできない。最初から伝説的人物に思えてしまう。

■ストーリー

小沢征爾、市川海老蔵(現・団十郎)、唐十郎、山田洋次、尾崎将司…。1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人。彼らの多くは、今も輝きを失っていない。デビュー間もない20代の著者が彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。この40年の意味を今また問い直すために―。

■感想
知っている人物もいれば、まったく知らない人物もいる。その原因が、若いころは脚光をあびたが、のちに才能が持続しなかったのか、単純に自分が知らないだけなのか。そんな中でも、自分が知っているほど有名で、今でもその権威を周囲にふりまいているのは、大成功者なのだろう。

はねっかえりの若者が、一時的に世間に注目され、その後、まったく名前を聞かなくなるというのは悲しすぎる。独自の路線を進み、敵もたくさんいるが、それでも無視できない実力を示してこそなのだろう。

「ジャンボ尾崎」は誰もが知っている有名人だが、元プロ野球選手というのは知らなかった。というか、かなり波乱万丈な人生のようだ。自分が知っているのは、プロゴルファージャンボ尾崎なので、デビューまでの苦労など知る由もない。プロ野球の選手として話題となり、没落し、その後プロゴルファーとして名声を得る。とんでもない人生だ。

普通の人ならば、ひとつの競技でさえもプロになることはとてつもなく厳しい道のはずだ。それを二つの競技でやってのけ、賞金王にまでなる。本作が書かれた当時はのちの大成功を予言していたとは思えないが、すごすぎる。

スポーツ選手や芸術家以外にも多数の若者が紹介されている。そんな中で「畑正憲」が紹介されているのには驚いた。いったい何枠なのだろう?と思ったら、文化人枠らしい。エッセイストとして有名となった若き日のムツゴロウさんのインタビューとなっている。

今の人は、動物好きなお爺さんというイメージしかない。何を基準にして選んだのかよくわからないが、当時としては輝いていた若者なのだろう。強烈なインパクトはないが、今の人がイメージする人物像と、当然ながら若いころはだいぶ違う。

今の大御所たちの若き姿は、意外でもあり、納得できる姿でもある。



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