雪月花黙示録 


 2014.6.17     古き善き日本文化を大切に 【雪月花黙示録】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

現代の日本を思わせる描写と、古き良き大和文化を大切にするミヤコ民。イメージとしては昭和初期くらいか。女子は黒髪で振袖を着て、男子は袴を着る。天才剣士が登場し、美形で人気抜群の生徒会長でもある。歴女が好きそうな要素が詰まっている。欧米に多大な影響を受けた現代の日本人たちを帝国主義者と呼び、ミヤコ民たちとの違いを明確にする。

マンガ原作になりそうなストーリー展開とキャラクターだ。剣で怪物を倒し、謎の剣士が登場し、美少女剣士たちが戦う。これらに学園の要素が加わるのだから、隙がない。逆にガチガチに固めすぎたゆえに、そっち方面が苦手な人にとってはかなり厳しいかもしれない。腐女子向きな物語だ。

■ストーリー

私は高校生の蘇芳。いとこの紫風(美形なうえに天才剣士!)が当選確実の生徒会長選挙を控えたある日、選挙への妨害行為が相次いだ。また派手好きで金持ちの道博の仕業かと思ったら、「伝道者」を名乗る者が出現。私たちの住む悠久のミヤコを何者かが狙っている!謎×学園×ハイパーアクション。ゴシック・ジャパンで展開する。

■感想
作美男美女の剣士たちが、古き良き日本の文化を大切にし、派手なアクションを繰り広げる。ミヤコ民という特殊なコミュニティー内のみ、昭和初期にタイムスリップしたような雰囲気がある。科学の進歩は現在と同等でも、考え方が古風だ。

振袖を着た美少女剣士が、謎の美男剣士と学園で戦う。はたまた、謎の怪物と闘う。アニメやマンガの設定のようだが、物語として成立しているから不思議だ。いいなずけが登場し、そのいいなずけが強烈に軽いキャラでミッチーというあだ名まである。軽い昭和初期のラブコメのようにも感じてしまう。

ミヤコ民の象徴でもある春日家。春日家の長男であり生徒会長である紫風。これらキャラたちの名前が特徴的なのはもちろんのこと、考え方がかなり時代がかっている。敵対する謎の伝道者という組織。命を狙われる危険性がありながら、自分たちの使命を全うしようとする。

紫風たちの独特の考え方というのは、特殊だが、それに感化されるように他のキャラクタたちも自然に特殊なキャラだという認識をしてしまう。和服を着た美少女が剣を片手に敵をなぎ倒す。ものすごく絵になる状況であることは間違いない。

ラストでは「ミヤコ民」 の秘密が明らかになる。帝国主義者が現在の日本人を表現している場合、ミヤコ民は何を意味していたのかがわかる。この結末を読んだとき、かなり衝撃を受けた。敵対組織の伝道者という名前もそれなりに納得できる。

ミヤコ民=引きこもりのような印象を受けたのだが、これは間違いなのだろうか。伝道者によって帝国主義者たちに取り込まれるミヤコ民。古き良き日本の心を、かたくなに守ることがどうなのかという結論はない。強烈なインパクトがあるわけではないが、ラストのネタばらしはそれなりに衝撃だ。

すぐさまアニメになりそうな物語だ。



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