2014.10.11 貧乏ロボットの描写が良い 【ロボッツ】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
貧しい夫婦の家に生まれたロボット、ロドニー。ロボットが生まれ、成長することを、大きなパーツを取り付けることで成長するとみなしている。貧乏な家庭なので、成長パーツはお古ばかり。ロボットの世界にまで貧富の差が存在し、そのことで憐れみを誘っている。ロドニーが貧乏に負けず、偉大な発明家ビッグウェルド博士に感化され、自分で発明に取り組む。
ロドニーの街に対する憧れと、ロボット・シティを牛耳る存在が悪だというわかりやすい図式が作り上げられている。貧富の差がそのまま善と悪のようになる。貧乏なロボットたちをしいたげるリッチなロボット。スクラップ寸前のロボたちが、協力し悪を倒す分かりやすい展開が良いのだろう。
■ストーリー
小さな町の貧しいサラ洗い機ロボット、コッパーボトム夫妻の元に生まれた男の子、ロドニー。両親の愛に包まれて少年となったロドニーはある日、偉大な発明家ビッグウェルド博士の“外見が何で作られていても、誰もが輝くことができる”との言葉に勇気と希望を抱くのだった。やがて発明好きな青年へと成長したロドニーは、立派な発明家になるという夢を叶えるため大都会ロボット・シティへと旅立った。
■感想
貧乏な家に生まれた子が、発明家をめざし、最終的に仲間と共に、街を牛耳る悪い奴をやっつける、という話のロボバージョンだ。ロボットの個性が豊かだ。特にロドニーの仲間となるロボたちは、スクラップ寸前であったり、壊れて声が出せなかったり。
それでも、人間と同じように化粧をしたり、コーヒーを飲むような感覚でオイルを体に入れる。擬人化されたロボットの行動が面白い。人間の行動を、ロボットならばどう行動するのか、というのが考えられている。最初は違和感あったロボたちの見た目も、最後には人間と同じように認識してしまうから不思議だ。
ロボットシティを牛耳る存在が悪として描かれている。高価なアップグレードスーツを売り出すため、修理部品を売りにださない。その結果、貧乏な旧式ロボットたちは、修理ができずスクラップになるしかない。ピカピカに輝くリッチなロボットたちと、ボロボロでぎこちない動きのロボットたち。
憐れみを誘うのは、当然旧式ロボットたちだが、動きや見た目の個性は旧式の勝ちだ。画一的なリッチなロボたちは無表情であり、擬人化された面白い動きがない。明らかに旧式ロボたちを善としようとする流れがある。
この手のアニメは感動が売りのようだが、そこまで感動しなかった。旧式のロボたちの哀れさは表現されているが、そこから感動に結びつくことはない。貧乏なロボたちが一致団結し、悪に打ち勝つという定番の流れがあるにしても、感動はそうでもない。
似たようなパターンでいうと、「ウォーリー」のように、どこか憐れみを誘う哀愁がない。ストーリー的にも、先が読めたというのもあるのだろう。映像はすばらしいのだが、意外性がないので印象は弱いのだろう。
感動を引き起こすには、もうひとひねり足りない気がした。
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