エヴァンゲリヲン新劇場版 Q


 2014.9.16      説明なき14年後 【エヴァンゲリヲン新劇場版 Q】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
前作「」から、TV版を踏襲した流れになるかと思いきや、まったく新しいエヴァが描かれていた。「破」のラストでシンジがニアサードインパクトを起こしたことで、世界は滅亡に近づく。これだけでもすでに大きな違いだが、そこから14年後の世界が描かれている。ゲリラ的な活動をする反NERVのヴィレ。ミサトやリツコたちが参加したその組織がどのようにして出来上がったのか、まったく説明がない。

新しい展開にワクワクすることは確かだが、すべてにおいて説明不足だ。勝手に予想し自分で考えろということだろうか。シンジをめぐるヴィレとNERVの戦い。映像のすばらしさと、アクションの激しさは群を抜いている。が、ストーリー的についていける人は少ないのではないだろうか。

■ストーリー

「ニアサードインパクト」から14年後。葛城ミサトをはじめ旧NERV職員らは、反NERV組織「ヴィレ」を結成し、NERVのエヴァを殲滅すべく活動していた。ヴィレはエヴァ改2号機(アスカ)と8号機(マリ)によって、衛星軌道上にNERVが封印していた初号機を強奪する「US作戦」を実行する。

改2号機は Evangelion Mark.04「コード4A」数体から妨害を受けるが、8号機の援護射撃でそれを突破。さらに初号機とともに格納されていたMark.04「コード4B」の迎撃により窮地に陥るも、一時的に覚醒した初号機によって助けられ、2号機は初号機とともに地球へと帰還する。

■感想
14年後の世界では、ミサトが艦長となるヴィレというゲリラ組織ができていた。そこでエヴァのパイロットとして活躍するアスカとマリ。新キャラを活かしつつ、閉塞的な世界に明るさや希望をもたらすためには、大きな変化が必要なのだろう。

いっきに14年後まで飛んでしまうと、もはや物語としては別物となる。今までであれば、TVシリーズを多少なりとも引き継いでいたのだが、本作はまったく新しいストーリーだ。TVシリーズをあのまま広げることは難しいのだろうが、この流れは驚かずにはいられない。

ストーリーが大きく変化しても、シンジのウジウジした感じは変わらない。結局のところ、カヲルとの怪しげな関係というのは本作でも健在だ。14年もの間、いったい何をしていたのか。シンジが復活することによりサードインパクトが発生するのか。

お決まり通り、カヲルとシンジがロンギヌスの槍を抜きに行き、そこでまたしてもごちゃごちゃとした変化が起こる。もはや何がなんだかわからない。ゲンドウだけが、相変わらずすべてシナリオ通りと知ったかをしているが、恐らく監督でさえも、先がどうなるのか不明なのだろう。

ここまでストーリーが破たんしていると、続きをどのような形にするのか予想がつかない。誰もが納得するような終わりは、恐らく迎えられないだろう。カヲルが死に、レイがその存在意義をなくしたとなると、またまた新キャラの登場なのだろうか。

どう考えてもハッピーエンドはありえない。唯一の希望としては、ミサトたちのヴィレがすべてを解決することだろう。アスカとマリがとんでもない世界でありながら、普通の会話をしていることが、微かな期待かもしれない。

ここまで大きな変化だとは思わなかった。



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