エヴァンゲリヲン 新劇場版 破


 2011.10.14  新しいエヴァとして楽しめる 【エヴァンゲリヲン新劇場版 破】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
はそれほどテレビ版と変化があるように感じられなかったが、本作はストーリーの根幹に関わる部分に大きな変化がある。新キャラクターが登場するのはもちろんだが、暴走する三号機に乗る人物が変わっているということだ。これはかなり大きな変化で、その変化の理由はのちのち判明してくる。新しい物語として十分楽しめるのだが、基本は今までのエヴァの路線をはずしていない。そればかりか、視聴者を楽しませるような仕掛けもあり、映像的な進化も楽しめる。ただ、基本的にエヴァンゲリヲンを知っていないと辛いというのはある。まったく初見の人が本作を見てどれほど楽しめるかは疑問だ。昔からのファンならば、問題なく楽しめ、新たな謎にワクワクドキドキしながら次の”Q”を楽しみに待つことができるだろう。

■ストーリー

汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロイン、マリが登場する。

■感想
すでに十年以上前の作品だが、新たな作品として楽しく見ることができた。テレビ版を知っているだけに、2時間でどれだけストーリーを過不足なく消化し、新キャラクターを登場させるのか気になったのだが、思った以上にうまく融合させている。戦闘と日常のメリハリがきいており、サービスシーンも多く、ファンの要求にできるだけ答えようという制作側の頑張りがうかがい知れる。ストーリーの根幹部分が変わってはいるが、それは新キャラクターを活かすために必要な処置だったのだろう。序はまさに序章で、本作からが新しいエヴァが始まるといった感じだ。

テレビ版ではラブコメ風な明るさがあったパートであっても、多少その雰囲気は残しているが、どこか殺伐とした暗さを感じた。ストーリー的に中休み的なお笑い部分を極力はぶき、シリアス路線をつき進んでいるように思えてくる。こうなってくると、続編はより悲惨な状況になるのは避けられないだろう。テレビ版とそれに続く映画版が、精神世界の物語として強引に終えた印象があるのだが、本作はどうもそうはならないようだ。テレビ版でイラついた止めた絵を多用することもない。まっとうなアニメといった感じだ。

映像的なレベルアップは当然として、CGを駆使してより未来感を表現している。かと思えば、昭和を感じる描写があったりと、基本的に観衆を楽しませようという工夫がアチコチになされている。テレビ版をまったく見たことが無く、映画版の序すらも見たことがない人は論外として、それ以外に序だけを見たことがある人にとっては、新しいエヴァとして十分楽しめる作品になっている。宗教だとか、精神世界のことが今後ふんだんに登場してくるだろうが、そのマニアックさもコアなファン向けに残していくのだろう。

ここまで息の長い、コアなファンが多数存在する作品も珍しいだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp