2014.7.6 貸金庫の中には魔物がいた 【バンク・ジョブ】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
知り合いにそそのかされ、銀行の貸金庫破りを成功させたはいいが、盗んだ物がとんでもないモノだった。実話をベースにした物語。銀行の貸金庫には、表にだせない様々な秘密がある。テリーたちは金ほしさに貸金庫を襲ったのだが…。悪党、政府、王室スキャンダル。すべての秘密が詰まった貸金庫。
テリーたちにはほとんど価値がなくとも、当人たちには重大な秘密となる。それぞれの思惑が錯綜し、だましだまされの展開が面白い。奪ったものを返すといい、それぞれに同じ場所を指定し、鉢合わせさせる。八方ふさがりの状況から、抜け出すための秘策にワクワクする。本作が実話をベースにしているということに、なにより驚いた。
■ストーリー
1971年、ロンドン。ベイカー・ストリートにある銀行の地下に強盗団が侵入し、貸金庫内の多額の現金と宝石を強奪する。しかしその中には政府がどうしても報じられない秘密が隠されていた。その秘密とは、英国最大のタブー、王室スキャンダルだった!
■感想
ジェイソン・ステイサムが金庫破りのリーダーを演じる。となると、雰囲気的に近いのは「ロック・ストック…」だろうか。金ほしさにやばいことに手を出したはいいが、四方八方から狙われるはめになり、最後は偶然により敵同士が戦い、無事切り抜ける。本作も基本はそのパターンなのだが、貸金庫に隠された秘密が妙な面白さを醸し出している。
黒人のヒーローとして政府を脅す男が隠し持っていたスキャンダル。政府の高官の変態趣味を隠し撮りした写真。ポルノの帝王が警察へ渡した賄賂が詳細に記録された手帳。そして、王室スキャンダル。すべてに狙われるテリーは気の毒でしかない。
本人たちが知らないうちに、実は重大な事件に巻き込まれているパターンだ。秘密警察に付け狙われ、マフィアに脅され、仲間がリンチされる。テリーはただ金がほしかっただけで、そのほかのモノには興味がない。それぞれがそれぞれの目的でテリーたちを脅し始める。
八方ふさがりのテリーが考えた秘策は…。ラストでは、取引相手をすべて同じ時間、同じ場所へ呼び寄せることで仲間割れを期待する流れとなる。敵同士が争ってくれれば良し、最悪のパターンは…。ラストへ向かうワクワク感はすさまじい。
物語としてどこまで実話なのかわからない。が、確実と思われるのは、テリーたちが捕まっていないということだ。こんなことが本当に現実に起こったのだろうか。にわかに信じられないが、表に出せない秘密があるとすれば、犯人の情報も公にできないのだろう。
様々な組織から狙われ、逃げおおせるとは思えないのだが…。物語としてはハッピーエンドとなっている。強烈なインパクトはないが、絶望的な状況から起死回生の秘策と、最後の一発逆転がなんとも爽快だ。
ジェイソン・ステイサムはこの手の役が良く似合う。
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