ショコラ


 2011.1.15  見終わるとチョコが食べたくなる 【ショコラ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
不思議なチョコレートで人が幸せになる。見終わった後、むしょうにホットチョコレートが飲みたくなるのは、そのおいしそうな映像とハッピーエンドの雰囲気のおかげだろう。規律を重んじ、排他的で保守的な村にチョコレート店を開くことになった母と娘。閉ざされた村の雰囲気を変えることができるのか…。この手のパターンはマルタのやさしい刺繍と同じだが、どこか幸せな香りを感じさせる母娘なので、それほど絶望的な雰囲気はない。突然あらわれたイケメンヒッピーであったり、偏屈な伯爵だったり、母娘の障害は大きいが魔法のチョコレートですべてを幸せにしてしまう。マルタのやさしい刺繍ほど楽しくはならないが、最後の幸せな雰囲気は良い。

■ストーリー

すべての人を幸せにする不思議なチョコレートを売る母娘の心温まる物語。氷のように閉ざされた村にやってきた不思議な母娘。ふたりは、村の人々が見たこともない美味しそうなチョコレートであふれたお店を開店する。客の好みにピタリと合わせて勧められるチョコレートに村の人々は虜になっていき、皆の閉ざされた心を解き放っていくが…。

■感想
それほどチョコレートが好きではないとしても、見終わるとチョコレートに興味がわいてくるだろう。排他的で保守的な村にやってきた母娘。チョコレートがそれほど悪いものだとは思わないが、毛嫌いする者もいる。村の権力者が1つの方向性を示したとき、周りもそれに同調するように動き出す。村人たちの閉ざされた心を解き放つ不思議なチョコレートの前には様々な困難が待ち受けている。特にすべての元凶である伯爵が、わかりやすい堅物なのが良い。ぴっちり七三で無表情。絵に描いたような朴念仁が物語を面白くしている。

船で旅するヒッピーとして登場するジョニー・デップがこれまた堅物たちと対比するようにかっこいい。どこかアウトローな雰囲気を出すこの手の危険な男はずるい。現実的に考えると、たとえ偏屈な男だとしても伯爵のような男の方が良いのかもしれない。それがステレオタイプな野性味溢れるいい男のジョニー・デップにすべてをさらわれていく。わかりやすい対比と、善悪がはっきりしているのが安心して見られる要因なのだろう。ラストにはちょっとした面白要素もあり、ファンタジーあふれるハッピーエンドとなっている。

それにしても作中に登場するチョコレートや、それをソースとした料理がおいしそうでたまらない。それほどチョコが好きなわけではないが、甘さを越えた何かがあるような気がした。人々が幸せになれるようちょっとした工夫をこらし、それをおいしそうに食べる姿を見ると、食べてみたくなる。チョコに唐辛子を入れるという発想もなかなか無い。ただ、金がないのに材料費などはどうしたのだろうという無粋な考えは捨てるべきだ。純粋に画面に映るチョコのおいしそうな映像を楽しむべきだ。

わかりやすいハッピーエンドとなる作品だ。



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