シャッターアイランド


 2011.3.24  あっと驚く悲しい結末 【シャッターアイランド】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
精神を病んだ犯罪者が収容されるシャッターアイランド。そこへ調査にやってきた連邦保安官のテディ。不思議な雰囲気と、あいまに挿入されるテディのトラウマと、怪しげな雰囲気をぷんぷん漂わせる島内の囚人たち。羊たちの沈黙や、その手の作品かと思いきや、予想は大きく裏切られる。最後の大どんでん返しはかなり驚くだろう。結末を見た後、それまでの映像を思い出すと、納得できる伏線が多数ある。非常によく練りこまれたミステリだ。最後にどことなく悲しい気持ちになるのは、メメントと同じかもしれない。一人だけ何も知らずただひたすら自分が思うままに行動したテディ。真実を知った瞬間の悲しみや衝撃はかなり大きい。ミステリを見慣れている人は、もしかしたら中盤あたりで気づくかもしれない。

■ストーリー

精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島(シャッター アイランド)」から一人の女が姿を消した。島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪し気な職員たち、解けば解くほど深まる謎……。事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは!?

■感想
連邦保安官のテディがなにやら、いわくありげな怪しい島へとやってくる。観衆はこの怪しげな囚人たちや、警備員たちに何か秘密があるのではないかと考えてしまう。さらには、最近チェンジリングを見たこともあり、精神病院系の強引な患者への態度というのをどうしても思い出してしまう。正義の連邦保安官が、なぞのベールに包まれたシャッターアイランドで真実を明らかにする。テディのアグレッシブな行動には目を奪われ、囚人たちを含めた島の人々には怪しさだけが浮かび上がってくる。ここまではなんてことない刑事映画のような印象だ。

中盤以降、テディの妄想が激しくなると、物語の方向性が怪しくなる。テディの妄想が何か物語りに大きな鍵となるような印象だが、それも後半には大きく変わってくる。まさかのオチを想像し、そしてそのようになる。かなりの大どんでん返しだが、思い返せば、それなりの伏線があったことに気づく。ラストで大きな秘密が明らかになるパターンはよくあるが、前半部分を思い返して、それなりに整合性が取れているのはすばらしい。物語の要素ひとつひとつがかなり重要なので、ひとつも見落とすべきではないだろう。

すべてが終わったあと、ひとり必死に捜査し続けたテディの悲しさばかりが心に残る。何も知らないのはテディだけだという流れは、メメントの印象に近いかもしれない。精神に異常をきたした犯罪者ばかりが収容されたシャッターアイランドで起こった出来事。注意深く見ていれば、前半でもある程度気がつくかもしれない。よくよく思い出せば、オチをにおわす数々のヒントがちりばめられていた。ある種の先入観によって観衆はテディの捜査の行く末を見ることになる。

ある程度オチが予想できたとしても、すばらしい流れなのは間違いない。



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