人は忘れることで救われている。
過去の嫌なことを全て覚えていたら人はおかしくなってしまうかもね。
嫌なことがあって、それをすっきり忘れられる人もいれば
それが悩みに変わってしまう人もいる。
忘れることって改めて重要だと思った。
でも、この映画のことはきっと忘れないだろう。

結構な量の映画を見ていると、だいたい先の予想が付いてくる
それでも面白い映画は、物語にのめり込む事ができるが、
脚本が駄目だったりすると、途端に眠たくなってしまう。
今回のメメントはかなり楽しめた。
今までにない手法だったので、かなりビックリしたし、
これを実現するってのがすごいと思った。

主役のガイ・スピアーズも良い味出しているし、
この、数分前の出来事さえ忘れてしまう記憶障害の男という
難しい役をものすごく旨く演じている。

少しネタばれだが、この映画のキモである逆回しを、ＤＶＤ版では
そのまま時系列に編集したバージョンがあるが、それはホントに平凡な
映画になっている。
いかにアイデアが大事かということを、分からせてくれる映画だとも
思った。

監督のクリストファー・ノーランは、前作も確か同じような映画を作っていて本作が
恐らく完成系として世に出てきたと思う。
それなりに知名度も出てきてハリウッドの大作を手がけることも
あるだろうけど、（実際にインソムニアを監督した）
このままのテンションで、新しい手法にドンドン挑戦していってほしい。